米財務省の外国資産管理局(OFAC)は10月28日、北朝鮮の偽装IT就労に関与した10人と1団体を制裁対象に指定した。暗号資産(仮想通貨)の換金を支援したロシア人仲介者や、ロシアでIT労働者を派遣する北朝鮮支配下の団体などが対象となった。
米財務省によると、北朝鮮のIT労働者は偽造書類や盗んだ身元情報を使い、米国などの企業に就職している。北朝鮮政府は賃金の大半を徴収し、大量破壊兵器や弾道ミサイルの開発資金に充てているという。
今回制裁されたロシア人のVitold Viktorovich Obertas(ヴィトルド・ヴィクトロヴィチ・オベルタス)氏は、2025年1月以降、北朝鮮当局者のために約200万ドル(約3億1600万円、1ドル=158円)相当の暗号資産を換金した。別のロシア人仲介者も、北朝鮮のIT労働者を抱える企業に暗号資産の交換などを提供していたという。
Chainalysis(チェイナリシス)は、IT労働者のウォレットに2022年末から2023年初めまで、2週間ごとにステーブルコインが入金されていたと分析。同社は、この定期的な入金が給与の支払いに似ていると指摘した。
資金はイーサリアム(ETH)に交換され、集約先のアドレス、ロシア人仲介者を経由し、換金のためにロシアの暗号資産取引所Garantex(ガランテックス)へ送られたという。
また、北朝鮮のIT労働者が生成AIで求人に合わせた履歴書や顔写真を作成し、面接時に偽動画で素性を隠す事例も確認されていると説明した。
今回の制裁により、対象者の米国内の資産や米国人らの管理下にある資産は凍結され、米国人らによる関連取引は原則禁止となる。
|文:平木 昌宏
|画像:Adobe Stock
【次に読む】
» Bitrefill、北朝鮮系ハッカー「Lazarus」による攻撃を指摘──約1万8500件の購入記録が流出
» DMMビットコイン482億円流出、北朝鮮系ハッカー集団の犯行と特定:警察庁
» Gincoから初の詳細報告──DMMビットコイン482億円流出事案


