ポイント
・8万ドル割れも8.2万ドル台へ復帰
・CPI・PPI上振れも利上げ観測高まらず
・コアウィーブ株反発で安堵感
・ウォーシュ議長に注目もヒントを与えない可能性
昨日のBTC市場
昨日のBTC市場は下に行って来いの展開。

8.2万ドル(約1,295万円)近辺から、一時8万ドル(約1,265万円)割れに値を下げたが、8.2万ドル台に値を戻している。
BTCは8.7万ドルへのトライに失敗し、8.2万ドルを割り込みダブルトップが完成したと見るや、先週金曜日には8万ドル台まで急落した。
しかし、原油価格と米長期金利の反落もあり、週明けに8.2万ドルのサポートを上回り、ダブルトップはだましに終わったが、8.4万ドル近辺で上値を押さえられた。
水曜日のCPIはコア・ヘッドラインとも予想を上振れ、BTCは失速したが、続くFRB高官の発言がいずれも利上げを明言しなかったことや、半導体・AI株の失速から米債券に「質への逃避」買いが入る中、8.1万ドル台で下げ渋った。米10年債は5.3%台から5.1%割れに急低下している。
しかし、この流れを受け半導体株の影響が大きい日韓株が大きく値を下げると、リスクオフ気味にBTCは8万ドル台に失速した。ゼレンスキー大統領がロシアの石油施設攻撃を再開するとし、イランがホルムズ海峡でタンカーを炎上させたとされる中、原油価格が上昇したこともBTCの上値を押さえた。
注目のPPIは前年比でヘッドラインが6.3%(予想5.5%)、コアが5.0%(同4.7%)と大きく上振れ、BTCは一時8万ドルを割り込んだ。
しかし、社債利回りの急上昇で株価が下落していたコアウィーブ社株が下げ渋り、株主であるNVIDIAのファンCEOが同社は大丈夫としたこともあり反発すると、BTCもショートカバー気味に8.2万ドル台に反発した。
一方、米在庫減などもあり原油価格が上昇し、MSCIが指数から非事業会社を除外する新ルールを発表、ストラテジー社が対象となる可能性が高まったこともあり、BTCは上値を押さえられると、8.2万ドル近辺での推移となっている。
本日のBTC市場
本日のBTC市場は、底値を固める展開か。
CPIに続きPPIも大きく上振れ、インフレ懸念が高まったが、不思議と10月利上げ観測は高まらず、BTCは底割れを防げた格好となった。理由は、数字の上振れは主に原油価格の上昇分と解釈されたこと、数字の割にFRB高官の発言がタカ派ではなかったこと。また、質への逃避買いで米長期金利が低下していることも、市場の見方に影響したか。
今朝方、シカゴ連銀のグールズビー総裁は政治スケジュールは金融政策に影響を与えないとしたが、実際には過去20年で大統領・中間選挙直前1か月間に利上げをしたのは2022年の1回だけ。その時はインフレが9%に上り、毎会合で0.75%ずつ利上げをしていた緊急対策だった。そのため、必要があれば9月の間に利上げをしておくことがいわば慣例となっている。直前に景気や株価に影響を与えると政権与党に有利不利が生じるからだ。
市場は今回のFRB高官の発言にそうした空気を感じ取ったのかもしれない。また、ウォーシュ議長下で政策決定に関するフォワードガイダンスを控える姿勢が強まっており、各メンバーが口を濁すのは自然な対応だったが、強い数字の後だっただけに市場はハト派と受け取った形だ。本日12時半からウォーシュ議長がバンコクのIMF総会で登壇する。おそらく議長はそうしたヒントを与えないだろうし、市場はそれをハト派と受け取るかもしれない。最近は「金融支配」と呼んで、市場の期待に働きかけて対話を重視するあまり、本来採るべき政策がやりにくくなっているという問題意識がある。従って、議長がそうしたヒントを与える可能性は低そうだ。
足元では、コアウィーブ株動向が注目されている。今回はCPIを受けた利上げ観測が特定企業の問題を業界全体への懸念に拡大させた。またマスク氏の投稿を機に同社の株が失速する前から韓国株は崩れ始めていた。押し目買いが得意なアークインベストメントが同社株を購入し、ドイツ銀行も買い推奨を出して市場は落ち着きを取り戻している。AI関連の過剰投資と債務への懸念は今に始まった話ではなく、時として市場の不安心理が膨らむが、そのポテンシャルを評価する声も強い。警戒するに越したことはないが、今回がバブル崩壊のきっかけとなるとは考えていない。
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※この記事は「楽天ウォレット」のデイリーレポートを転載したものです。
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