暗号資産(仮想通貨)企業のRipple(リップル)が、米国のレバレッジ型ETF(上場投資信託)への資金提供で大手銀行や証券会社と競合していると、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が10月7日報じた。
レバレッジ型ETFは、対象となる株式や指数の1日の騰落率に対し、2倍など一定の倍率の運用成果を目指す商品だ。リップル・プライムは、こうしたETFに値動きに応じた損益を受け渡す「スワップ契約」を提供し、手数料を得ている。
大手銀行が長年担ってきた、ウォール街のお家芸ともいえる収益源である。
同紙によると、傘下のRipple Prime(リップル・プライム)が複数のETF運用会社と取引し、銀行中心の市場に入り込んでいるという。
参入の足がかりは、2025年のHidden Road(ヒドゥン・ロード)の12億5000万ドル(約1975億円、1ドル=158円換算)での買収だった。同社は機関投資家向けに取引の仲介、清算、資金提供を担うプライムブローカーで、買収後にリップル・プライムへ名称を変更した。
WSJは、この買収を通じてリップルがスワップと呼ばれる金融派生商品による資金提供事業を取り込んだと伝えている。
銀行以外の企業にも商機が生まれた背景として、同紙は銀行への規制と新興運用会社の増加を挙げている。銀行は引き受けられるリスクについて厳しい規制を受ける。
一方、新たなレバレッジ型ETFを立ち上げる企業には、銀行との長年の取引関係を持たない会社も多い。こうした状況が、リップルなどに取引を広げる余地をもたらしているという。
市場の拡大も参入を後押ししている。WSJが引用したデータでは、米国のレバレッジ型ETFの運用資産は2560億ドル(約40兆円、同)を超える。同紙に取材された市場関係者は、市場の成長と手数料収入への期待が、資金提供を手がける企業の増加につながっていると説明した。
手数料の高さを示す例が、半導体関連株を対象とする「Tradr 2X Long SNDK Daily ETF」だ。WSJによると、同ETFがリップルに支払うコストは、銀行の翌日物資金調達金利に4ポイントを上乗せした水準となる。
10月6日時点では、年率換算でETFの資産の約8%に相当する。運用管理手数料とは別に基準価額へ反映され、最終的には投資家が負担すると報じた。

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|文:平木 昌宏
|画像:Shutterstock


