米上院財政委員会に所属するSteve Daines(スティーブ・デインズ)上院議員は今週、暗号資産(仮想通貨)の税制を包括的に見直す法案の草案を関係者に配布した。議員事務所によると、法案は来週、正式に提出される見通しだと、Bloomberg Lawが9月25日に報じた。
草案には、一定のステーブルコイン決済や10ドル以下のネットワーク手数料に対する課税上の負担軽減が盛り込まれた。暗号資産へのウォッシュセール規則の適用や、事業者が時価評価課税を選択できる制度なども含まれている。
今回の動きに先立ち、米下院では暗号資産税制の包括法案「Digital Asset Tax Certainty Act」が9月14日に提出され、下院歳入委員会に付託された。同法案は、ステーブルコインや取引手数料、マイニング、ステーキングなど幅広い税務上の論点を扱う。
下院歳入委員会は9月16日、同法案を38対5の超党派の賛成多数で承認した。ただし、中間選挙前に下院本会議で採決される予定はなく、今後の審議は選挙後になる見通しだ。
法案草案は全13条で構成される。現段階では法案の正式名称と提出者欄が空欄となっている。
草案によると、対象となる米ドル建てステーブルコインを商品やサービスの購入に使った場合、売却や交換に伴う利益または損失を認識しない仕組みを設ける。取得価格が1ドルの上下3%以内で、米財務省が毎月公表する要件を満たした銘柄が対象となる。
また、暗号資産で支払うネットワーク手数料についても、1回の取引に関連する合計額が10ドル以下であれば、利益または損失を認識しないとしている。法案が成立した場合、この規定は2027年12月31日より後の資産処分に適用される。
さらに、租税回避を防ぐ規定も盛り込まれた。株式などに適用されるウォッシュセール規則を暗号資産に広げる。売却の前後30日以内に実質的に同一の資産を取得した場合、損失計上を制限する内容だ。保有資産を実際に売却せず、売却と同等の経済効果を得る取引には、みなし売却規則を適用する。
このほか、一定の条件を満たす暗号資産の貸付を、課税対象となる売却とみなさない措置が含まれる。投資信託が保有資産をステーキングしても、その行為だけを理由に税務上の資格を失わない仕組みも設ける。広く取引される暗号資産の寄付については、一定の鑑定要件を免除する。
デインズ議員は今期限りで退任する予定で、退任前に暗号資産税制の枠組みを示す意向だという。また、中間選挙前に法案を提出することで、選挙後から新議会発足までの会期に上院が審議する余地が残るとしている。
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|文:平木 昌宏
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