BTC(ビットコイン)は米利上げ後も上昇余地、AIブームの持続性と追加利上げには不透明感【マネックス証券】

● 今週のビットコインは、原油供給への懸念後退や米国株高、現物ETFへの資金流入を追い風に急反発し、一時BTC=87,000ドル(約1374万円)付近まで上昇した。

● 来週のビットコインは、米国株高によるリスクオンを背景に上昇余地がある一方、追加利上げやAIブーム、中東情勢を巡る不透明感が上値を抑える展開が予想される。 直近の価格レンジとして、上値はBTC=90,000ドル(約1422万円)、下値はBTC=82,000ドル(約1295万円)を意識する。

今週(9月18日~9月24日)の相場動向

相場回顧 BTC(ビットコイン):原油安と米株高を追い風に急反発、87,000ドル付近へ

ビットコインは、原油供給への懸念後退や米国株高、現物ETFへの資金流入を追い風に急反発し、一時BTC=87,000ドル(約1374万円)付近まで上昇した。

週初は、サウジアラビアがパイプライン停止を補うためオマーン経由で原油の代替供給を進めたことで供給不安が和らぎ、原油価格と米金利が低下した。これを受け、前週のFOMC(米連邦公開市場委員会)後の売りが一巡し、米国株とともにビットコインも反発した。

また、米CLARITY法案の審議入り否決後にSEC(米証券取引委員会)とCFTC(米商品先物取引委員会)がそれぞれ既存の権限内で暗号資産規制の明確化を進める方針を示したことも支えとなり、BTC=80,000ドル(約1264万円)を急回復した。

その後、メタ・プラットフォームズ[META]のAIアシスタント「Muse」への期待などを背景にAI・半導体株への買いが強まり、NASDAQ総合指数が連日で最高値を更新。さらに、サウジアラビアの石油パイプラインが一部再開したことで原油供給への警戒が一段と和らいだ。

こうした中、ビットコインは、現物ETFへの大規模な資金流入やショートカバーも重なり、一時BTC=87,000ドル(約1374万円)付近まで急騰した。ストラテジー[MSTR]がビットコイン購入を再開したことも安心材料となった。

もっとも、高値圏では利益確定売りが優勢となった。ボウマンFRB(米連邦準備制度理事会)副議長らがインフレへの警戒を示したほか、米国債入札が低調だったことも重なり、米金利が再び上昇した。さらに、国連総会でイラン側が米国への降伏を否定し、中東情勢の早期収束への期待も後退した。米中首脳会談を控えて様子見姿勢も強まり、ビットコインはBTC=83,000ドル(約1311万円)台まで調整した。

来週(9月25日~10月1日)の相場予想

BTC(ビットコイン)は米利上げ後も上昇余地、AIブームの持続性と追加利上げには不透明感

来週のビットコインは、米国株高によるリスクオンを背景に上昇余地がある一方、追加利上げやAIブーム、中東情勢を巡る不透明感が上値を抑える展開が予想される。 

まず、米利上げ転換後も米国株が高値圏を維持している点に注目したい。2022年はコロナ禍後の景気減速とインフレが重なるなかでFRBが急速な金融引き締めに転じ、米国株とビットコインは下落基調を強めた。一方、今回は景気や企業業績が比較的堅調で、AI半導体という成長テーマが相場を支えている。

また、AI投資を進める企業では社債などを通じて長期・固定金利で巨額の資金を確保する動きもみられ、政策金利の上昇が設備投資の縮小に直結しにくい面もある。こうした環境の違いから、米国株の上昇が続けば、リスクオンの流れからビットコインにも短期的に買いが入りやすいだろう。

もっとも、足元の株高が持続するかは慎重に見極めたい。メタ・プラットフォームズの「Muse」など新たなサービスへの期待が高まる一方、オープンAIに続いてアンソロピックでもIPO延期の可能性が報じられている。大型IPOへの期待が後退すれば、米利上げ転換と相まってAI半導体株を中心に利益確定売りが急速に強まり、ビットコインもリスクオンによる上昇分を吐き出す可能性がある。

米金融政策では、今後の追加利上げを巡る不透明感も残る。来週発表されるPCE(個人消費支出)物価指数でインフレの粘着性が確認されれば、追加利上げへの警戒から米金利が上昇し、ビットコインの重石となるだろう。その後の米雇用統計でも労働市場の底堅さが示されれば、利上げ観測がさらに強まる可能性がある。一方、物価や雇用の鈍化が確認されれば、追加利上げへの警戒が和らぎ、上昇の勢いが増す展開も想定される。

米イラン情勢では、イラン側が米国への降伏を否定するなど、早期の緊張緩和が見通しづらい状況が続いている。ホルムズ海峡を巡る供給不安が残るなか、軍事的な対立が長期化して原油価格が高止まりすれば、インフレ懸念を通じて追加利上げへの警戒を強める要因となる。一方、直接協議の再開など外交的な進展がみられれば、原油高への警戒が和らぎ、市場のリスク選好を後押しするだろう。

暗号資産市場では、米規制当局による制度整備と需給動向に注目したい。SECとCFTCは、DeFiを含むオンチェーン取引の実用化に向けて規制上の枠組み整備を進めている。こうした動きを受けて民間企業による新サービスが具体化すれば、CLARITY法案の審議停滞を補う材料となるだろう。また、ストラテジーによるビットコインの追加購入や現物ETFへの資金流入が続くかも、相場の底堅さを見極めるうえで重要となる。

直近の価格レンジとして、上値はBTC=90,000ドル(約1422万円)、下値はBTC=82,000ドル(約1295万円)を意識する。

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