イーサリアム共同創設者のVitalik Buterin(ヴィタリック・ブテリン)氏は9月10日、イーサリアムの将来的な技術改善に向けた構想をXで公開した。
ヴィタリック氏は、量子コンピュータへの耐性を持つ署名やプライバシー機能を低コストで利用できるようにする技術提案「EIP-8288(Recursive STARK mempool)」について説明した。
EIP-8288は、多数の署名や証明を「Recursive STARK」と呼ばれる仕組みでまとめて検証することで、大量のデータをそのままイーサリアム上で処理する必要を減らすものだ。
同氏は、以前から提案している新たな取引方式「Frame Transactions」の次の段階に位置付けられる構想だと説明している。
現在、量子コンピュータによる攻撃にも耐えられる暗号技術は、従来の署名方式よりデータ量や処理コストが大きくなることが課題となっている。
ヴィタリック氏によると、量子耐性を持つプライベート取引には現状、約1,000万ガスが必要になるが、EIP-8288を活用すれば数万ガス程度まで抑えられる可能性がある。単純計算では99%以上の削減となる。
さらに、さまざまな種類の暗号署名や証明を利用しやすくなるほか、取引内容を必要以上に公開せずに処理できるプライバシー機能の実現にもつながるとしている。
EIP-8288は現時点ではドラフト段階で、導入は決定していない。ヴィタリック氏は、将来のネットワークアップグレード「I-star」への採用を期待していると説明している。
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|文:平木 昌宏
|画像:Adobe Stockより
