シンガポールのDBS(ディービーエス)と米Citi(シティ)は9月7日、トークン化預金を使い、24時間365日いつでも国境を越えた米ドル決済ができるようになったと発表した。
DBSとシティのニューヨークオフィスは9月5日の土曜日、シンガポールと米国の間で週末の米ドル送金を実行した。SWIFT(スイフト:国際銀行間通信協会)のデジタル台帳を介したトークン化預金による取引で、数分で完了し、越境送金の業界標準である最大2営業日から大幅に短縮された。
これは実証実験ではなく実取引で、銀行の営業時間が決済の制約でなくなったことが明らかになった。DBSは、アジア発の越境支払いが2033年までに24兆ドル(約3720兆円、1ドル=155円換算)へ倍増すると予測している。
銀行業界では、既存の決済網を置き換えずに接続する路線が固まった。スイフトの台帳は各行のトークン化預金をつなぐ橋渡し役にとどまり、最終決済は従来システムを通す。越境決済は8月のHSBCとStandard Chartered(スタンダードチャータード)に続く2例目だ。
暗号資産業界としては、ステーブルコインの強みだった24時間決済に規制下の銀行マネーが正面から入ってくることになる。ただしシティは9月1日発表の世界21社によるドル建てステーブルコイン共同発行にも加わり、大手銀行は両にらみで動いていくと見られる。
日本では三菱UFJ銀行がスイフト台帳による世界17行の実取引パイロットプログラムに参加している。3メガバンクは信託型ステーブルコインの共同発行で2026年度中の実取引開始をめざしており、トークン化預金と並走する。
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|文・編集:井上 俊彦
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