Twenty One Capital(トゥエンティワン・キャピタル)のCEO、Raphael Zagury(ラファエル・ザグリー)氏は8月28日、香港のBitcoin Asia 2026(ビットコイン・アジア2026)で「Here Be Dragons: Bitcoin’s First Ever Hashrate Bear Market(ここに竜あり:ビットコイン史上初のハッシュレート弱気相場)」と題した基調講演を行い、ビットコインのマイニングが未知の局面に入ったと訴えた。
同社は8月31日、講演の全文と資料をアメリカ証券取引委員会(SEC)に提出している。
資料によると、ネットワークハッシュレートは2025年9月19日の1275EH/s(エクサハッシュ毎秒)を最高値に、現在は900EH/s台後半と22〜24%低い水準にある。新高値のない期間は過去10年で最長だ。
2021年に中国がマイニングを禁止した際は51日で180EH/sから86EH/sへ急落したものの、約9カ月で最高値を更新した。「当時のマシンは行き場がなかっただけだが、今は採算が合わない」とザグリー氏は述べる。
講演の論点は主に3つある。第1に難易度調整だ。高コストのマイナーが止まれば難易度が下がり、残った側が同じ機材で取り分を増やす。「競合の撤退が自動的に自社の収益になる事業はまれだ」と同氏は指摘する。
第2に、マイニングは「史上最も柔軟な負荷」であることだ。本来なら捨てられる電力の最後の買い手であり、系統逼迫時は数秒で電力を返す最初の売り手でもある。
第3にAI(人工知能)・HPC(高性能計算)領域への「オプショナリティ」だ。エネルギー、インフラ、ネットワークシェア、プロトコルへの近接という4種の選択肢を挙げ、中でも電力設備はAI・HPCへの転用余地を残すとした。
その上で、価格が先に回復すれば「15年間マイナーを苦しめた価格とハッシュレートの差が初めて逆に働く」と結論づけた。
ただしザグリー氏はマイニング会社Elektron Energy(エレクトロン・エナジー)の創業者で、4万3514BTCを保有するTwenty One Capitalは同社との統合を検討中だ。
|文・編集:井上 俊彦
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