BIS総支配人、ステーブルコインは決済に不向きと発言=報道

国際決済銀行(BIS)のPablo Hernández de Cos(パブロ・エルナンデス・デ・コス)総支配人は8月28日、ジャクソンホール会議での講演で、ステーブルコインは大規模な決済手段として信頼に足るものではないと述べた。ロイターが報じた

デ・コス氏は欧州中央銀行、ECB)のChristine Lagarde(クリスティーヌ・ラガルド)総裁の後任候補とされる人物だ。

講演で同氏は、貨幣の「単一性」「相互運用性」「金融の健全性」の3点でステーブルコインは現状の要件を満たしていないと指摘した。銘柄をまたぐ送金は二次市場での売買を伴い額面通りに決済されない恐れがあり、自己管理ウォレット中心の保有構造はマネーロンダリング対策を難しくするという。

「ドル連動型ステーブルコインの利用拡大を巡り、一部の国・地域で通貨主権やデジタルドル化に対する懸念が台頭している」とも述べた。

一方、短期国債への需要を通じて政府の調達コストを下げうる点は認めつつ、銀行の資金調達コスト上昇が借り手の金利に転嫁される可能性を指摘した。その上で、日常決済の主役は銀行のトークン化預金が担うべきで、ステーブルコインはDeFi(分散型金融)融資などの限定的な役割にとどめるべきだと主張した。

BIS傘下の金融安定研究所(FSI)は27日、アメリカ・EU・イギリス・香港・シンガポールの発行体規制を比較した報告書を公表し、規制内容について大きな違いがあることを明らかにした。

日本では、メガバンク3行が信託型ステーブルコインの共同発行を2026年度中に目指すなど銀行主導の設計が先行しており、デ・コス氏の主張と親和性が高い。

|文・編集:井上 俊彦
|画像:Shutterstock

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