米市民団体Public Citizen(パブリック・シチズン)は8月27日、ドナルド・トランプ大統領に関連する暗号資産(仮想通貨)事業で、投資家が抱える損失が少なくとも47億ドル(約7470億円、1ドル=159円換算)に上るとの分析を公表した。
同団体によると、損失の大半は現時点で確定していない含み損で、トランプ氏の公式ミームコイン「TRUMP」と、トランプ一家が関与するWorld Liberty Financial(ワールド・リバティ・ファイナンシャル)の「WLFI」が大部分を占めたという。
同団体が依頼したブロックチェーン分析企業Nansen(ナンセン)の調査では、分散型取引所(DEX)でTRUMPを購入した個人投資家とみられる約160万ウォレットのうち、65%が損失を抱えていた。
パブリック・シチズンは、TRUMPの損失額を約32億ドル(約5090億円)と推計している。
大半は売却によって確定していない含み損だという。
一方、TRUMPの価格は足元で上昇している。CoinGecko(コインゲッコー)によると、8月28日時点で2.79ドル前後となり、過去7日間で約65%上昇。8月13日に付けた過去最安値の1.37ドルからは約2倍の水準まで回復している。
WLFIでは、少なくとも10億ドル(約1590億円)の損失を推計した。
この大半は、ナスダック上場のAI Financial(AIファイナンシャル、旧ALT5 Sigma)が保有するWLFIの含み損だという。
また、DEXでWLFIを購入した個人投資家とみられる約3万1000ウォレットのうち、82%が損失を抱えていたとしている。
このほか、トランプ氏のNFTや、Trump Media & Technology Group(トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ)が保有するビットコイン(BTC)の含み損なども集計対象とした。
一方、同団体は、トランプ氏が2025年に暗号資産関連事業から少なくとも14億ドル(約2230億円)の収入を得たと分析している。
パブリック・シチズンは今回の分析を踏まえ、米上院で審議中の暗号資産市場構造法案「CLARITY法案(クラリティ法案)」に、より厳格な倫理規定を盛り込むよう求めた。
クラリティ法案を巡っては、暗号資産事業から利益を得るトランプ一家と、大統領として暗号資産政策に影響を及ぼす立場との利益相反が争点となっている。
上院共和党が7月に公表した草案では、大統領などの公務員やその配偶者が、対価と引き換えに暗号資産を発行・支援することを禁止した。
ホワイトハウスは、トランプ氏やその家族が利益相反に関与したことはなく、今後も関与しないとの立場を示している。
|文:平木 昌宏
|画像:Shutterstockより


