今年2月に高市早苗首相の名を冠して発行された暗号資産(仮想通貨)「SANAE TOKEN」を巡り、発行元による保有者への返金(補償)が進んでいることが分かった。NADA NEWSがSolana(ソラナ)チェーン上の取引などが確認できるSolscanで確認したところ、8月27日時点で補償原資の9割近くが送金済みとなっている。
ことの発端は、連続起業家の溝口勇児(みぞぐち・ゆうじ)氏が手掛けるYouTube番組「NoBorder」の企画として、「Japan is Back」を掲げたサナエトークンが発行されたことだった。
首相の名を冠したことで注目を集め一時価格が急騰したが、3月2日に高市首相本人が自身や事務所の関与を全面否定すると価格は急落。発行元の合同会社NoBorderDAOは3月4日、コミュニケーション不足を認めて謝罪し、プロジェクトの中止とトークン保有者への補償を表明していた。
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同社は6月10日に補償申請サイトを開設。補償は受取額に応じて2つのプログラムに分け、7月30日からUSDCの送金を段階的に始めた。
Solscanでオンチェーンデータを確認したところ、1件当たり300ドル未満向けのプログラムは、補償総額6174.79USDCのうち、8月27日時点で4572.60USDC(約74%)が受取済み、残り1602.19USDC(約26%)が未受取だった。
300ドル以上向けのプログラムは補償総額18万7229.11USDCのうち、16万7058.57USDC(約89%)が受取済みで、残り2万170.53USDC(約11%)が未受取だった。
2つを合わせた補償総額は19万3403.90USDC(約3100万円、1ドル=160円換算)で、このうち約17万1600USDC(約88.7%)が既に送金された計算になる。なお、補償申請の期限は当初の7月31日から複数回延長され、最終的に8月14日となった。また、プロジェクトチームは一律での補償申請受付は終了したものの、現在も個別での申請受付は行っていると案内している。

折しも8月には、高利回りをうたう暗号資産レンディング「IZAKA-YA」を巡り「出金できない」との訴えがX上で相次ぎ、JPYC代表取締役の岡部典孝氏が利用者からの相談を金融庁に情報提供する事態にまで発展している。
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こうした状況と比較し、X上ではサナエトークンの返金対応について「クリプトでは異例」「返金対応自体については評価されるべき」などとする声もある。
もっとも、実際に支払いを終えた対象者の人数など、件数ベースの内訳はNoBorderDAOから公表されていない。
|文:橋本祐樹
|トップ画像:6月に開設されたSANAE TOKEN 補償申請サイト(キャプチャ)


