前デジタル大臣の平将明議員と、暗号資産(仮想通貨)政策を推進してきた神田潤一議員が、米商品先物取引委員会(CFTC)の元委員長で「クリプトの父(Crypto Dad)」の異名で知られるChristopher Giancarlo(クリストファー・ジャンカルロ)氏と面談した。
この面談は神田議員が自身のXで8月27日に明らかにしたもので、投稿には2人がジャンカルロ氏と並ぶ写真が添えられている。
議題は米国の暗号資産規制法案「クラリティ法」の成立可能性、CBDC(中央銀行デジタル通貨)の必要性、DeFi(分散型金融)への規制導入の際の考え方の3点だったと神田議員は説明した。
神田議員は日本国内のDeFi規制について、7月にNADA NEWSの取材に応じ、自身の考え方を説明していた。
焦点はステーブルコインの法制化・税制整備で、資金の貸し借りを行うレンディング取引にステーブルコインが組み込まれ金利的な手数料が生じるようになれば、DeFi取引が急速に広がる可能性があるとし、ある程度のルール整備が2〜3年以内に必要になるとの見方を示していた。
一方で、管理主体を持たずプログラムで動くDeFiをどう規制するかという枠組みについては、7月時点でまだ具体的な議論が始まっていないとも述べていた。
平・神田両議員がジャンカルロ氏との意見交換でDeFi規制の考え方を議題に挙げた背景には、管理主体のない仕組みをどう規制するかという、神田議員が7月時点でまだ議論の枠組みがないと説明していた課題について、米国側の知見を参考にする狙いがあったとみられる。
ジャンカルロ氏はCFTC委員長を2017年から2019年にかけて務め、ビットコイン先物市場の立ち上げを主導したことで知られる人物だ。
DeFiを専門に扱うプロジェクトチームを党内に設けるかどうかについて、神田議員は7月時点でまだ方針を決めていないと説明しており、来年の法改正に急ぐ必要がなければ、当面はモニタリングを続ける可能性があるとの考えを示していた。
同氏が懸念していた投資家保護のトラブルに近い事例は、国内でも起きている。
香港拠点の暗号資産レンディングサービス「IZAKA-YA」は、最大年利150%をうたうキャンペーンなどで利用者を集めてきたが、8月24日には不正な資金流入やマネー・ローンダリングの疑いがあるとして一部アカウントの送金・出金を一時的に停止したと公式に発表し、利用者の間で混乱が広がった。
ただしIZAKA-YAは運営会社Izakaya Limited(イザカヤ・リミテッド)が顧客から預かった資金を管理し利回りを提示する形態のサービスで、運営会社を介さずスマートコントラクト(あらかじめ定めた条件に沿って自動的に取引を実行するプログラム)上で資金のやり取りが完結するDeFiとは、仕組みが異なる。
投資家保護のルールを検討する際には、この運営主体の有無という違いが論点になりそうだ。
|文・撮影:栃山直樹


