米通貨監督庁(OCC)は8月14日、トランプ米大統領の家族が関与する暗号資産(仮想通貨)事業World Liberty Financial(ワールド・リバティ・ファイナンシャル)による信託銀行の設立を、予備的・条件付きで承認した。
最終承認されれば、トランプ家が関わる暗号資産グループが、ドル建てステーブルコイン「USD1」の発行から準備資産の管理までを自ら担えるようになる。
現在、USD1の発行や資産の保管は、暗号資産カストディ企業BitGo(ビットゴー)に委ねられている。新設予定のWorld Liberty Trust Company(ワールド・リバティ・トラスト・カンパニー)は、この役割を引き継ぐ計画だ。
これにより、ワールド・リバティは外部企業への依存を減らし、USD1の発行・償還、準備資産の管理、機関投資家向けのデジタル資産カストディをグループ内で一体的に運営できるようになる。
ただし、一般的な銀行とは役割が異なる。個人から預金を集めたり、住宅ローンや企業融資を提供したりするのではなく、ステーブルコインとデジタル資産の管理に特化した信託銀行となる。
営業開始には、最低2000万ドルのTier1資本の維持や内部監査体制の整備、OCCによる開業前審査などを経て、最終承認を得なければならない。
今回の審査では、トランプ氏の家族が利益を得る可能性のある事業を、大統領が任命した通貨監督官の下にある規制当局が承認することへの懸念も寄せられた。
OCCによると、4者が利益相反への懸念を表明し、うち3者は同行が規制上の優遇を受ける可能性を指摘した。これに対しOCCは、申請の承認権限は政治任用ではないキャリア職員に委任され、通常の手続きに沿って審査したと説明している。
|文:平木 昌宏
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