米上院民主党院内総務のChuck Schumer(チャック・シューマー)氏は7月30日、行政府における汚職の調査や不正に得た資金の回収を目的とする独立機関「反汚職局(Anti-Corruption Bureau)」を設立する法案を提出した。ドナルド・トランプ大統領とその家族の暗号資産(仮想通貨)事業などを巡り、利益相反への懸念が強まる中で打ち出された。
「Anti-Corruption Bureau Creation Act(反汚職局創設法案)」は、上院の承認を受けた7人の委員で構成される独立連邦機関を新設する。反汚職局には、調査、召喚、監督、執行、公的報告などの権限を付与する。
法案は、大統領や政府高官、主要な選挙関係者、主要な政府請負業者が汚職によって得た資金について、私人や州司法長官が米国を代表して返還を求める訴訟を起こせる仕組みも設ける。
大統領による介入を防ぐため、専用財源「Freedom From Influence Fund(影響力からの自由基金)」を設立し、予算面での独立性を確保する。さらに、ワシントンD.C.連邦控訴裁判所に特別な3判事部門を設け、欠員や妨害によって反汚職局が機能できなくなった場合に、暫定委員を任命できるようにする。
シューマー氏は、トランプ氏が2025年の大統領復帰以降に本人として20億ドル(約3200億円、1ドル=160円換算)超、その家族が40億ドル超の収入や経済的利益を得たと主張した。同氏は、トランプ氏が大統領職を私的利益のために利用していると批判し、反汚職局によって資金の流れを追跡し、不正利益を回収すると訴えた。これらの金額はシューマー氏側の集計と主張に基づく。
トランプ氏の暗号資産事業を巡っては、同氏一族が関与する「World Liberty Financial(WLF)」やトランプ氏関連のミームコインなどが、民主党議員から利益相反の例として繰り返し指摘されている。2025年分の財務開示でも、暗号資産事業から10億ドルを超える収入が報告された。
こうした問題は、暗号資産市場構造法案「CLARITY Act(クラリティ法案)」の交渉にも影響している。最新案には、公職者とその配偶者がデジタル資産を発行したり、スポンサーになったりすることを制限する倫理規定が盛り込まれた。一方、執行権限を司法省に集中させる仕組みについて、民主党側は実効性が不十分だと反発している。
|文・編集:Shoko Galaviz
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