米上院で審議中の暗号資産(仮想通貨)市場構造法案「CLARITY Act(クラリティ法案)」を巡り、共和党のThom Tillis(トム・ティリス)、民主党のRuben Gallego(ルーベン・ガジェゴ)両上院議員が7月30日、新たな倫理規定の妥協案をホワイトハウスに提出したと、The Blockが関係者の話として報じた。
妥協案の具体的な内容は明らかになっていない。ホワイトハウスもThe Blockのコメント要請に直ちには応じなかったという。
クラリティ法案では、ドナルド・トランプ大統領の暗号資産関連事業を巡る利益相反への対応が、成立に向けた主要な障害の一つとなっている。民主党は、トランプ氏が大統領就任前に立ち上げたミームコインや、一族が関与する暗号資産プロジェクト「World Liberty Financial(WLF)」などを踏まえ、より厳格な倫理規定を求めてきた。
先週公表された草案には、トランプ氏の了承を得た内容として、公職者とその配偶者によるデジタル資産の発行または支援を禁止する規定が盛り込まれた。ただし、配偶者以外の家族は対象に含まれていない。執行は米司法省が担い、規制は2029年1月に失効する。
The Blockが取材した議会交渉の関係者は、この失効条項によって倫理規定の実効性が損なわれると批判した。トランプ政権下では、同氏の元個人弁護士でもあるTodd Blanche(トッド・ブランチ)司法長官代行が率いる司法省が執行を担当するため、期限までに措置が取られる可能性は低く、失効後は新たな訴訟も提起できなくなるとの見方を示した。
上院は8月7日に夏季休会入りする予定で、休会前に法案審議を進められるかが焦点となる。ただし、議事妨害を打ち切って採決に進む手続きには通常60票が必要で、政府資金や人事承認など他の案件との日程調整も求められる。このため、休会前の本会議採決は難しいとの見方が出ている。
法案には民主党だけでなく共和党内にも慎重論がある。ステーブルコイン保有者への利回りや報酬を巡っては、銀行からの預金流出を懸念する銀行業界と、規制が技術革新を妨げると主張する暗号資産業界の対立も続いている。
|文・編集:Shoko Galaviz
|画像:Shutterstock


