アメリカ証券取引委員会(SEC)のPaul Atkins(ポール・アトキンス)委員長は7月27日、CNBCのインタビューで、議会が暗号資産(仮想通貨)市場構造法案「CLARITY法案(クラリティ法案)」を可決しない場合でも、SECには同法案が扱うのと同じ課題に対応する規則を策定する「準備も意欲も能力もある」と述べた。
一方でアトキンス氏は「法制化こそが制度を将来にわたって守る方法だ」とも語り、政権交代ごとに枠組みが揺らがないためには法律の裏付けが必要だと強調した。
アトキンス氏は議会での可決には楽観的で、SECは技術的支援を提供していると説明した。7月28日(現地時間)のXへの投稿でも、技術的支援を含めて議会の法案推進を支援する姿勢を改めて示している。
法案は2025年7月に下院を294対134で通過し、2026年5月14日には上院銀行委員会を15対9で通過したが、本会議の採決には至っていない。
可決には60票が必要となるが、政府高官の暗号資産保有を巡る倫理条項やステーブルコインの利回りの扱いで民主党側と折り合いがつかず、John Thune(ジョン・スーン)上院多数党院内総務は7月23日、8月の休会前の可決は見込めないとの見方を示した。
SECは代替策を整えつつある。2026年の規制課題には、トークンの登録免除やセーフハーバーを含む「レギュレーション・クリプト」の規則制定が並ぶ。ただし3月17日に商品先物取引委員会(CFTC)と共同で示した解釈指針のような行政措置は、将来の政権が議会の議決なしに撤回できる。アトキンス氏の発言はこの限界を踏まえたものだ。
|文・編集:井上 俊彦
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