・ビットコイン(BTC)は、週末に低調な取引が続いた後、月曜日午前0時(中央欧州時間)時点で6万5000ドル付近で推移した。
・米連邦準備制度理事会(FRB)、日本銀行、イングランド銀行が相次いで金融政策を発表するほか、米大手テクノロジー企業の決算も控えており、投資家は2026年最大級のマクロ経済イベントが集中する週を迎える。
・デリビットでは、権利行使価格7万〜7万2000ドル付近にコールオプションの建玉が約50億ドル集中している。一方、原油価格の過熱を背景に、6万2000〜6万3000ドル付近で下落リスクに備える需要も高まっている。
FRB・日銀・英中銀の政策決定が世界の流動性の方向性を左右する見通し
BTCは新たな取引週の開始時点で6万5000ドル付近で推移した。原油価格が1バレル=100ドルを上回るなかでも、週末を通じた値動きは2%以内に収まり、横ばいでの推移が続いた。
市場の関心は現在、FRB、日本銀行、イングランド銀行が相次いで金融政策を決定する「トリデント・ポリシー・ウィーク」に向かっている。これらの決定は、世界の流動性環境を大きく変化させるとみられる。
なかでも、FRBの政策決定が今週最大の材料となる。市場では、米金融当局が政策金利を3.50〜3.75%に据え置くとの見方が依然として優勢だが、ここ数営業日で7月の利上げ観測が大幅に強まっている。

CMEのFedWatchツールによると、7月の利上げ確率は週初めにかけて36.3%付近まで上昇した。また、9月までに利上げが再開される確率は80%に達している。
このため、投資家の関心は政策金利の決定そのものよりも、FOMCの政策決定発表に伴うケビン・ウォーシュFRB議長の今後の金融政策に関する発言に集中するとみられる。
日本円が米ドルに対して数十年ぶりの安値圏で推移するなか、7月30〜31日に予定され、31日に結果が公表される日本銀行の金融政策決定会合も、今週注目すべき重要なイベントとなる。

日銀が予想外の利上げに踏み切れば、世界的なキャリートレードの巻き戻しを再び招き、FRBの政策姿勢にかかわらずBTCに下押し圧力がかかる恐れがある。
ただし、ポリマーケットでは政策金利の据え置きが98%の確率で織り込まれており、市場では日銀が金利を維持するとの見方が圧倒的に優勢となっている。
一方、イングランド銀行も政策金利を据え置くと広く予想されている。エネルギー価格の再上昇によるインフレを背景に、高金利を長期間維持する姿勢を改めて示すとみられ、短期的に世界の流動性が拡大する可能性は一段と低下している。
FRB・日銀・英中銀の決定を前にBTCがもみ合うなか、デリビットのトレーダーは7万2000ドルへの反発に備える
主要3中央銀行の政策決定、高水準の原油価格、大手テクノロジー企業の決算が重なるなか、オプション市場では、年間でも特に重要なマクロ経済イベント週を前に、引き続き高いイベントリスクが織り込まれている。
BTCのデリバティブ市場では、7月下旬にかけてポジショニングが明確に強気へ傾いた。
グラスノードのデータによると、BTCのオプション建玉全体におけるプット・コール・レシオは、6月末の0.76から7月24日には0.52まで低下した。

この比率は、強気のコールオプションが弱気のプットオプションを約2対1の割合で上回っていることを示している。マクロ経済をめぐる不透明感が依然として強いなかでも、中期的な市場心理が改善していることがうかがえる。
特にデリビットのオプション市場では、権利行使価格7万ドルと7万2000ドルのオプション建玉が、合計約50億ドルに達している。
これらのポジションは、デリビットのオプション建玉総額280億ドルの18%を占める。
オプション市場の動向は、今週の金融政策イベントによってタカ派的なマクロ経済見通しが後退した場合に備え、機関投資家が相場の反発を見込んだポジションを引き続き構築していることを示している。

期先のポジションは強気を維持している一方、期近のプットオプションの買いは6万2000〜6万3000ドル付近に集中している。
これは、日本時間30日未明のFRBの政策発表と31日の日銀の政策決定を前に、トレーダーが下落リスクに備える保険を引き続き購入していることを示している。
ウォーシュ議長が、高止まりするエネルギー価格に起因する根強いインフレリスクに言及し、追加の金融引き締めが行われる可能性が高いとの見方を示した場合、米国債利回りが一段と上昇する可能性がある。
その結果、米ドル高が進み、暗号資産市場全体で再びレバレッジ解消の動きが広がる恐れがある。このシナリオでは、6万1800〜6万3100ドルのサポートゾーン付近で機関投資家の買い需要が入ると予想される。
一方、FRBが最近のインフレ改善を認めるとともに、直近の原油価格急騰の影響を重視しない姿勢を示した場合、市場は、FRBが広く予想されている9月の利上げを見送る可能性を示すものと受け止める可能性がある。
その場合、6万7000ドルに向けたショートスクイーズが加速し、7万〜7万2000ドルに集中する、より大規模なオプション建玉が次の主要な流動性ターゲットとなる可能性がある。
テクノロジー企業の決算と過熱する原油価格がBTCの上値余地を抑える可能性
原油価格も引き続き重要な変動要因となる。
AP通信によると、米国とイランが2日連続で攻撃を控えたことを受け、ブレント原油先物は日曜日の取引再開後に4.9%下落した。前週金曜日の3.9%安と合わせると、2営業日でおよそ9%下落した。
金曜日には1バレル=100ドルを上回っていたが、月曜日の朝にはハイパーリキッドで93ドルまで下落した。
それでも原油価格は、BTCが最後に3日以上連続でプラス引けとなった7月第1週に記録した直近安値の1バレル=76ドルを、依然として大幅に上回っている。

中央銀行の政策決定に加え、投資家はマイクロソフト、メタ、アップル、アマゾンなど、世界最大級のテクノロジー企業が発表する四半期決算の内容も見極めることになる。
好調な決算となれば、市場全体のリスク選好が強まり、マクロ経済をめぐる不透明感による影響が和らぐことで、BTCが現在の回復基調を維持する要因となる可能性がある。
一方、企業の業績見通しが低調だった場合や、人工知能インフラへの巨額投資をめぐる懸念が強まった場合、株式市場には下押し圧力がかかる可能性がある。
ただし、BTCの値動きはここ数週間、米国株の変動との連動性を弱めている。BTCとS&P500の20日ローリング相関係数は、7月中旬のプラス0.78という高水準から、月曜日にはマイナス0.27まで低下した。


