DeFi(分散型金融)レンディング大手Aave(アーベ)で、米ドル連動型ステーブルコイン「USDT」の借入残高が1週間で約2億3900万USDT(約390億円、1ドル=163円換算)増加したことが、アーベのリスク管理を支援するLlamaRisk(ラマリスク)が公表した7月13日と20日時点のデータから分かった。
アーベでは、利用者がETHやUSDeなどを担保として預け、他の利用者が供給したUSDTを借りられる。ここでいう借入残高は、利用者がアーベ上で借りているUSDTの合計を指す。
ラマリスクによると、Aave V3 CoreにおけるUSDTの借入残高は、7月13日の約22億1800万USDTから、20日には約24億5700万USDTへ拡大し、円換算で約4000億円に達した。
アーベでは借入需要の拡大を受け、7月15日にUSDTの借入上限を23億4000万USDTから25億7400万USDTへ引き上げたばかりだった。
しかし、その後も借り入れが増え、20日時点で新たな上限の95.5%まで埋まった。

借入上限は、Aave V3 Coreで対象資産を借りられる総量を制限する仕組みだ。上限に達すると、新たにその資産を借りられなくなる。
ラマリスクは7月21日、USDTの借入上限をさらに5億1600万USDT引き上げ、30億9000万USDTとする案を提示した。変更後の利用率は約79.5%になるとしている。
借入増加の背景の一つとして、ステーブルコインプロトコルEthena(エセナ)が発行する合成ドル「USDe」を担保に、USDTを借りる取引の拡大があるとみられる。
ラマリスクが7月18日に公表したデータによると、Aave V3 CoreにUSDeを多く預けていた上位20アドレスは、いずれも借入残高を抱えており、このうち18アドレスがUSDeを担保にUSDTを借りていたという。

Aave V3 CoreにおけるUSDeの供給上限は7月15日、6億2600万USDeから7億5120万USDeへ引き上げられた。
しかし、数日後には新たな上限の99.4%に達したため、ラマリスクは9億200万USDeへの再引き上げを提案し、7月21日に変更を実施したと報告した。
|文:平木 昌宏
|トップ画像:Aave公式サイトより(キャプチャ)


