KelpDAO、2.9億ドル規模のハッキング後にrsETH復旧を完了──AaveのTVLにはなお120億ドルの穴【価格分析】

・KelpDAOは、4月に発生した2億9200万ドル規模のLayerZeroエクスプロイトを受け、rsETH復旧に向けた最後の補填分の移管を完了した。
・運用面での復旧計画は完了したものの、アーベ(Aave)のTVLにはなお約120億ドルの穴が残っている。
・5月に上院で審議が進んだCLARITY法案は、分散型金融(DeFi)プロトコルの推進者に法的責任を課す枠組みを提案している。

KelpDAO、ブリッジ運用再開に伴いrsETH復旧プロセスを完了

Kelp DAOは、最後の復旧分となる20,373.72 rsETHをrsETH OFTアダプターへ移管し、rsETHエクスプロイトに関連する中核的な復旧プロセスを完了した。

Kelpチームは月曜日、Xへの投稿で、今回の移管により、クロスチェーン転送を支えるLayerZero OFTアダプター基盤に約116,000 rsETHを回復させる運用面での復旧計画が完了したと説明した。

最初の分割分は前週に移管され、これによりイーサリアムメインネットとレイヤー2ネットワークをまたぐrsETHのブリッジ機能が再開された。Aaveも当時、初回の補充分がLayerZero OFTアダプターに入ったことで、ブリッジ機能が復旧したと確認していた。

「最後の復旧分となる20,373.72 rsETHを、この日早くrsETH OFTアダプターに送付した。これにより、rsETH復旧計画の運用面での対応は完了した」─KelpDAOチーム、2026年5月25日

残りの分割分は、その後2週間にわたって配分され、ブリッジシステムを裏付けるロックボックスコントラクトの状態を完全に回復させた。rsETHの出金は最初の移管から24時間以内に再開され、入金も48時間以内に再開された。

Kelpはまた、一時停止期間中に発生したステーキング報酬についても、保有者に分配すると確認した。

今回のエクスプロイトは、rsETHをイーサリアムのレイヤー2エコシステムや外部ブロックチェーンネットワークへ移動させるために使われるインフラである、KelpのLayerZero OFTアダプターを標的にしたものだった。被害額は2億9200万ドル相当に上った。

Galaxy Researchによると、4月18日のエクスプロイトでは、攻撃者が偽造したLayerZeroパケットをイーサリアム側のOFTアダプターに送り込んだことで、約116,500 rsETHが不正に放出された。改ざんされたパケットにより、攻撃者のイーサリアムアドレスへの不正なトークン放出が引き起こされたという。

Aave、TVLの120億ドル減をなお回復できず──CLARITY法案はDeFi責任枠組み導入へ

Aave創設者のスタニ・クレチョフ氏も月曜日、rsETHの復旧完了を確認した。しかし、DeFiの流動性環境はエクスプロイト前の水準に比べ、なお大きく悪化したままだ。DefiLlamaのデータによると、AaveのTVLは、エクスプロイトに伴うパニック前の約260億ドルから、執筆時点では約140億ドルへ減少しており、120億ドル規模の流動性ギャップが依然として埋まっていない。

DeFi全体の時価総額も、投資家がレバレッジ型レンディング、リステーキング、クロスチェーンインフラ関連プロトコルへのエクスポージャーを減らしたことで、約990億ドルから810億ドルへ低下した。

<AaveのTVL、5月26日|出典:DefiLlama>

今後を見据えると、米国の議員らは、デジタル資産プロジェクトに関わるプロモーター、コンサルタント、諮問委員会メンバー、上級従業員に対する説明責任の基準を整備しようとしている。特に、初期のトークン配布に関与する関係者が対象となる。

2026年5月に上院銀行委員会を通過したデジタル資産市場明確化法案、いわゆるCLARITY法案は、分散型ブロックチェーン活動と中央集権型のデジタル資産仲介業者を区別し、主要な関係者にユーザー資金の損失に対する責任を負わせる枠組みを作るものだ。

同法案の第101条では、「デジタル・コモディティ関連者」を、過去6カ月以内にデジタル・コモディティ発行者のプロモーター、コンサルタント、諮問委員会メンバー、上級従業員、または同様の立場で関与した個人と定義している。この分類は、発行者または引受業者が配布したトークン総供給量の少なくとも1%について、支配権を持つ、または権利を取得する事業体にも及ぶ。

<予測市場:CLARITY法案、2026年中に成立か|出典:Polymarket>

予測市場では現在、この法案が最終的に成立する確率は約54%とされており、火曜日時点で賭け金総額は100万ドルを超えている。

CLARITY法案はまた、DeFiプラットフォームがどのような場合に十分に分散化されたインフラとして機能しているとみなされるのか、また、どのような場合に連邦当局の監督対象となる従来型の証券市場に近い形で運営されているとみなされるのかを判断する枠組みの整備も目指している。

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