セキュリティ・トークン(ST、デジタル証券)の発行・管理基盤を提供するProgmatは13日、分散型台帳「Corda5」から「Avalanche L1」への移行が完了したと発表した。既発行STの管理台帳もAvalancheへ移行した。
Progmat上の全ST案件(本日時点で4520億円超)の移行プロセスが完了した。これにより、国内トップシェアのSTプラットフォームとして取り扱う全案件がEVM(Ethereum Virtual Machine)互換となり、金融機関の利用要件を満たしながら、パブリックチェーン環境でのコンポーザビリティ(相互運用性)も実現したとしている。
今回の基盤刷新では、ブロックチェーン連携レイヤー「mediator」を導入し、特定のブロックチェーンに依存しないアーキテクチャへ変更した。これにより、将来的な複数チェーンへの対応や、ステーブルコイン、トークン化預金との連携を見据えた基盤を整備したとしている。
性能面では、権利移転処理を従来比で約3〜5倍高速化した。Avalanche L1上のトランザクションのファイナリティが2秒未満となり、「ほぼ即時決済」を実現した。さらに、利用企業ごとに必要だったCordaノードの追加構築が不要となり、新規利用企業の環境構築にかかるリードタイムやコストの削減も見込む。
また、既存機能や仕様を維持したまま移行を実現し、発行済み案件や既存利用企業への影響を最小限に抑えたという。
Progmatの代表取締役Founder & CEOの齊藤達哉氏は、「Project Keystoneとして進めてきた大規模な基盤刷新を遅延なく完了し、Progmat上の全ST案件を新たな環境へ移行できたことを大変嬉しく思う」とコメント。「今回のAvalanche連携完了は、日本のST市場がグローバルなRWAエコシステムと本格的につながる象徴的な成果」と位置付けた。
また、「mediator」の導入により、対象資産や投資家ニーズに応じた複数チェーンへの柔軟な対応や、異なるチェーンをまたいだ同時決済など、機関投資家の本格参入に伴う高度な業務要件にも対応していく考えを示した。
一方、AvaCloudのCEOであるNick Mussallem氏は、「4520億円を超える規制対象の有価証券を、発行体や利用企業への影響なく移行し切ったことは、機関投資家向けインフラが備えるべき水準を示す実証成果だ」とコメントした。
国内では三井住友信託銀行がイーサリアム上でトークン化MMFの実証を進めるなど、金融資産や決済手段でパブリックブロックチェーンの活用を視野に入れた取り組みが広がりつつある。今回の移行も、その潮流を象徴する動きの一つといえそうだ。
|文:NADA NEWS編集部


