国内外のブロックチェーン業界関係者が集う大型カンファレンス「Japan Blockchain Week Summit 2026(JBWS 2026)」が7月12日、渋谷で開かれた。
ジャパンブロックチェーンウィークサミットは、7月1日から14日まで開催されている「Japan Blockchain Week」の中核イベント。今年は1日から3日に京都で「IVS2026 Crypto Zone Powered by NADA NEWS」が、13日と14日には都内で「WebX」が開催されるなど、国内外の関連イベントが集中的に実施される。
JBWは、2018年に始まったNFTカンファレンス「Non Fungible Tokyo」 に端を発する。当初は小規模なコミュニティイベントとしてスタートしたが、その後は国内外のコミュニティを横断的につなぐ枠組みに発展した。
オープニングセッションには、JBW共同創設者の藤本真衣氏と、先日、暗号資産(仮想通貨)取引所Binance Japanの新代表に就任した豊崎亜里紗氏が登壇。両氏は国内の暗号資産市場について、大衆に普及する「マスアダプションの節目にある」とし、今後の成長戦略について意見を交わした。
豊崎氏は、今後予定される暗号資産規制の移行などが国内の認知度を高めるとし、「これからが業界の成長フェーズ」だと話した。同社については、グローバルグループとして持つ「信頼の基盤」を生かしながら、日本市場の拡大を後押ししていく考えを示した。

ゼネラルマネージャー(代表取締役)就任を決断した理由については、「世界的なブランドとして信頼の基盤があり、この業界をもっと多くの人に知ってもらえると考えた」と説明。打診を受けた際には「これしかないと思った」と振り返った。
豊崎氏はBinance Japanが現在、国内最多となる66銘柄を取り扱うほか、過去半年間の円建てビットコイン(BTC)取引量が国内首位になったと紹介。昨年発表したPayPayとの資本業務提携にも触れると、日々の決済や投資の中で、「Binance Japanを使ってもらえる機会はさらに広がる」とし、「この波に乗らないわけにはいかない」と呼びかけた。
▶関連記事:なぜバイナンスジャパンは急拡大したのか──1400万口座を巡る国内取引所の陣取りゲームを読み解く【記者コラム】
続けて、暗号資産に対する「短期的な投機」という従来のイメージを覆し、「ポートフォリオの5%から8%程度を長期的に配分するアセットクラス」としての立ち位置を国内でも確立させていきたいと展望。そのうえで、「日々の生活の中に、いかにデジタルアセットを組み込むか」が重要だとまとめた。
「ビットコインは底をつけたのか?」をテーマにしたセッションには、楽天ウォレットのシニアアナリスト松田康生氏と、BTCやイーサリアム(ETH)などを保有・運用するアライドアーキテクツの最高暗号資産責任者(CCO)を務める大木悠氏が登壇。市場動向に加え、企業が暗号資産を保有する「DAT(デジタルアセットトレジャリー)戦略」の拡大についても議論した。

松田氏は足元のBTC下落の要因について、米国で審議中の「クラリティ法案」の進展遅れや金融政策に加え、現物ETFへの資金流入の鈍化、米ストラテジー社によるBTC売却などを挙げた。一方で、「ストラテジー社が買い支えてきた需給構造から脱却する良い機会になる」との見方を示し、市場にとっては前向きな変化になる可能性があると語った。
大木氏は、アライドアーキテクツではBTCに限らず複数の暗号資産を保有・運用する戦略を進めていると説明。企業による暗号資産保有は、価格上昇を狙った投資だけでなく、ブロックチェーンのエコシステムや社会実装を支える役割も担うようになるとの見方を示した。
また、ストラテジー社によるBTC売却については以前から公表されていた計画であり、突然の方針転換ではないと説明。市場とのコミュニケーション不足によって売却の意図が伝わらず、市場の過度な反応につながったとの認識を示した。
この日は、ETHの保有を積極的に進めるビットマイン・イマーション・テクノロジーズ(Bitmine Immersion Technologies)会長のトム・リー(Thomas Lee)氏やアニモカ・ブランズ(Animoca Brands)共同創業者兼会長のヤット・シウ(Yat Siu)氏ら海外の業界関係者も登壇。国内からも、Circle(サークル)カントリーマネージャーの榊原健太氏やJPYC代表取締役の岡部典孝氏らが登壇し、ステーブルコインの活用などをテーマに議論する。
|取材・文・撮影:橋本祐樹
|トップ写真:JBW共同創設者の藤本真衣氏(左)とBinance Japan新代表の豊崎亜里紗氏


