暗号資産(仮想通貨)運用会社Bitwise(ビットワイズ)の最高投資責任者(CIO)、Matt Hougan(マット・ホーガン)氏は7月1日のブログ記事で、STRCの急落は典型的なサイクル終盤の債務削減(デレバレッジ)であり、Strategy(ストラテジー)の清算が差し迫った兆候ではないとの見方を示した。
STRCは、ビットコイン(BTC)財務企業のStrategyが昨年発行した永久優先株で、額面価格である1株あたり100ドル付近で取引されながら、高い利回りを提供するように設計されている。
当初9%だった利回りを11.5%まで上げることで、投資家が105億ドル(1兆6800億円、1ドル=160円換算)を投じ、Strategyはその資金でビットコインを購入した。
だがBTCとStrategy株(MSTR)の下落が続くと、投資家はStrategyが配当を支払う能力と意思に不安を抱き始め、STRCは75ドルまで急落した。
ホーガン氏は、そうした投資家の懸念は「正しいが、正しくない」と評する。Strategyは巨額のビットコインを保有し、十分な支払い余力はあるものの、裁量でSTRCの配当を停止できるためだ。
Strategyは6月29日、配当のために定期的にビットコインを売却できる新枠組みを発表した。同社は、株価100ドルを維持するために金利を自動的に引き上げることはせず、代わりにSTRC株を変動価格で取引すると述べ、公開市場でSTRC株を購入する可能性もあると付け加えた。この発表の後、MSTRとSTRCの価格はともに急伸した。
ホーガン氏は、STRCのボラティリティとMSTRの下落を「典型的なサイクル終盤の動き」とみている。まず強気相場が到来し、投資家は欲張りになって金融工学を駆使してレバレッジを積み上げる。そして、何かが崩壊し、プロセスは逆転する。そして過剰なレバレッジがシステムから完全に排除されたときに底値になる。
次のサイクルの主要な買い手はStrategyではなく、世界の銀行や資産運用会社、年金基金といった機関投資家になるとホーガン氏は予想している。
日本では、同じビットコイン財務戦略をとるMetaplanet(メタプラネット)が7月2日に保有量を4万3000BTCへ拡大し、Strategy、Twenty One Capital(トゥエンティ・ワン・キャピタル)に次ぐ世界第3位の上場ビットコイン保有企業となった。優先株やゼロ金利債を活用する同社にとっても、サイクル終盤の力学は無縁ではない。
|文・編集:井上 俊彦
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