暗号資産(仮想通貨)専業11年目の墨汁うまい(@bokujyuumai)です。イーサリアムETFの影響でETH価格がビットコインに対して相場がズレたことが原因によるいわゆるアルトシーズンが長期間来ていないことから、新たなメインストリームのL2や分散金融(DeFi)には過酷な時となっているといえるでしょう。
本稿では暗号資産プロジェクトの閉鎖から見る今後と理解しておくべきリスクについてわかりやすく解説を行います。
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暗号資産プロジェクトが次々に閉鎖
暗号資産投資家にとって2022年末のFTX破産以来、イーサリアムやL2、DeFi(分散金融)などのアルトコイン高騰となるいわゆる「アルトシーズン」が来ない長期的な「暗号資産の冬」となっているのが現状です。
この影響でイーサリアムL2やジーケーシンク(zkSync: $ZK)に代表されるzkEVMをベースにしたレンディングプロジェクトなどが個別にローンチした一方、収益性とプラットフォーム維持の影響から閉鎖する事例が加速しているのです。例えばEVMチェーンの最大手だったポリゴン(Polygon: $POL)が開発していたポリゴンzkEVMは利用者数が増えないことで、2025年6月に閉鎖を発表、現在もシーケンサーは動いているものの2026年7月1日に停止予定であり、それ以降はトランザクションを実行することができないことを意味するのです。
ですがイーサリアムのストローマン(Strawman)開発ロードマップで今後イーサリアムL1にZKを導入するのは確実であるため、ポリゴンはZKの開発や研究を続けていく意向です。
L2は利用されることが前提であり、ローンチはRollup-as-a-Serviceのように簡単になっている一方、収益化と相場におけるトークン需要の低下は死活問題であると言えるでしょう。
※ポリゴンzkEVMの閉鎖後、イーサリアムL1側ではウォレット(EOA)内のETHやUSDCなどは引出しができる一方、コントラクト実行はできないためそれまでに引出しをしておく必要がある。
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ロールアップビジネスの難しさ
このようなL2の閉鎖はイーサリアムが史上最高値を超えられていないことが原因である一方、イーサリアムエコシステムの変化におけるプロジェクト側の維持コストが大きな課題となってきているわけです。アービトラム(Arbitrum: $ARB)やオプティミズム(Optimism: $OP)などのローンチと、オプティミズムが提供するOP Stackにより独自のイーサリアムL2ネットワークをローンチしたり、イーサリアムのサイドチェーンとなるEVMチェーンから移行する例が2024年頃からブームとなりました。
これをいわゆる「ロールアップビジネス」と呼ばれるのですが、その収益性はガスの手数料として支払われるETHに依存するため、
・どれだけ利用されるか
・ETH価格がそもそも上がるか
・乱立の中で独自性を出せるのか
という問題が関わってくるわけです。
またETH手数料を収益として得るためにシーケンサーを運用するわけですが、プロジェクト側以外のユーザーが参加できるようにしないということは収益性を確保できる一方、その分だけ運用コストが必要となるということになります。
またトークンのTGEをしたとしても「エアドロップにだけ目的で使用していたユーザー」が多すぎるため、トークン価格は毀損し、アルトシーズンが来ないことで二重苦となっているというのが現状でしょう。
DeFiはハッキングが原因
ラディアント・キャピタル(Radiant Capital: $RDNT)はアービトラムをベースにしたレンディングプロトコルであり、例えば$ARBのような単一のトークンを預け入れてLPを行いつつレバレッジをかけて運用するといった新たなDeFiマーケットを形成していたプロジェクトでした。
ですが2024年10月16日に約5000万ドル、日本円の当時のレート149円として約75億円相当のハッキングを受けたのです。
このハッキング原因はラディアントの開発者を狙ったいわゆるサプライチェーン攻撃に相当するマルウェアが原因であり、コアコントラクトへ悪意のあるコードをアップグレード、攻撃者はラディアントのコアコントラクトからETHなどの暗号資産を盗み出したというのが当時の背景です。
このハッキング被害と長期的なアルトシーズンが来ない、むしろ最安値を更新し続ける現在の暗号資産相場環境において、弁済をすることができずに閉鎖に追い込まれるという例は今後も増えていくことになるでしょう。
運営元が閉鎖する例もある
また必ずしもラディアントのように運営を停止しないで、開発運営元が閉鎖する例もあります。例えばユニスワップ(Uniswap: $UNI)などと同時期にローンチしたバランサー(Balancer: $BAL)はDNSハックやプロトコルの脆弱性など複数の理由で4回に渡る巨額の損失を出したことで有名です。この被害額は当時の円高レートで計算しても約200億円を超える合計損失となっており、開発元のバランサー・ラボは法的な責任リスクとなり、プロトコルにおいてプラスにならないという判断に至ったわけです。
同様の例としては2026年4月にブリッジがハッキングされて一気に50%下落したシンジケート(Syndicate: $SYD)などもあります。
暗号資産の今後と理解すべきリスク
このような事例は下手をすると全損となることから、暗号資産投資家は資金力やプロトコルレベニュー(収益)、資金調達でどれほどセキュリティに資金を割いてるかを個別に評価し、そのDeFiやL2を利用、トークンへ投資しなければいけないのです。
株式のように法的枠組みで規制されており、上場時にも規制当局がチェックを行うような場合とことなり、少し価格が暴騰すればその価格上昇を理由にプロトコルが投資適格であるかのように評価されているように見えるのが暗号資産のリスクでもあるわけです。
ここで米国で現在進んでいるクラリティ法が可決し、より既存金融に近い枠組みと規制を構築することができれば、既に1つの資産クラスとして確立している暗号資産の将来は明るくなるといえるでしょう。
暗号資産投資家もボラティリティではなく、本質的価値と規制準拠をベースに判断していく段階に来たということを体現していると墨汁うまいは考えてます。



