BTC、6.6万ドル突破──米イラン和平合意受け原油5%下落、FRB据え置き織り込み済み【価格分析】

・ビットコイン(BTC)は6万6,000ドルを突破した。米国とイランの停戦合意が確認されたことを受け、原油価格が5%超急落するなかでの動きだ。
・市場は米連邦準備制度理事会(FRB)による金利据え置きを完全に織り込んでいる。ただし、トレーダーはエネルギー価格の下落がリスク資産に与える影響を過小評価している可能性がある。
・BTCはイラク戦争後の3カ月間で65%上昇した。現在のBTCと原油の相関係数も、同様の上昇条件を示唆している。

米イラン停戦合意で原油が5%下落、BTCは6万6,000ドル突破

BTCは月曜早朝の取引で6万6,000ドルを上回った。イランが米国との停戦合意を確認し、それをきっかけにエネルギー市場では急激な売りが広がり、世界的にリスク資産へ幅広く買いが入った。

原油価格は過去24時間で5%超下落し、4月以来初めて80ドルを下回った。米原油先物とガソリン先物はいずれも2カ月ぶりの安値に下落した。トレーダーが、紛争中に積み上げていた戦争プレミアムを織り込んだポジションを急いで解消したためだ。

この動きは、米国とイランが敵対行為を終結させ、世界でも特に重要なエネルギー輸送路の一つであるホルムズ海峡の通航を再開することで合意したとの確認を受けたものだ。

トランプ米大統領は、今週金曜にスイスで和平合意が署名された後、ホルムズ海峡が正式に再開されると述べた。この合意により、イランの核開発計画をめぐる60日間の交渉期間が始まる見通しだ。

Live market ticker: S&P 500 7,554.29 (+122.83, +1.65%), Dow 30 51,671.03 (+468.77, +0.92%), Nasdaq 26,683.94 (+795.10, +3.07%), Russell 2000 2,965.09 (+21.09, +0.72%), VIX 16.20 (-1.48, -8.37%), Gold 4,331.10 (-20.50, -0.47%), Bitcoin USD 66,087.53 (+705.68, +1.1%).
<2026年6月15日の取引終了時点における米国市場の動向|出典:Yahoo Finance>

ホルムズ海峡は、2026年2月28日の紛争勃発以降、事実上閉鎖された状態が続いていた。その結果、世界の原油タンカーとLNGタンカーの輸送に深刻な混乱が生じていた。

米国株は好感して上昇した。ナスダックは月曜に3%超上昇し、ダウ先物も500ポイント超上昇した。市場の変動性見通しを示すVIX指数は8%超低下し、投資家心理の改善を反映した。BTCは約2%上昇し、6万6,500ドル前後で取引された。

トレーダーの関心が今後のFRBの決定に移るなか、過去の市場動向を見ると、原油価格の急落は今後数週間のビットコインにとって重要な上昇材料になる可能性がある。

BTCはイラク戦争後に65%上昇、原油が戦前水準に戻れば価格相関は上昇サイクル再来を示唆

米イラン紛争が2月28日に始まる前、WTI原油は1バレルあたり65ドル付近で取引されていた。月曜に急落したとはいえ、原油価格はなお戦前水準を約20%上回っている。地政学リスクがさらに後退すれば、追加の下落余地があることを示している。

さらに、市場は、水曜に予定されているFOMCでFRBが金利を据え置くことを、すでにほぼ完全に織り込んでいる。Polymarketのトレーダーは、政策担当者が金利を据え置く確率を100%と見ており、決定を前に賭け金は1億100万ドルを超えている。CME FedWatchのデータでも、据え置き確率は98.4%超となっている。

Bar chart of Fed meeting target-rate probabilities: 1.6% for 325–350 bps and 98.4% for 350–375 bps (for 17 Jun 2026 meeting).
<CME FedWatchツール|出典:CME Group>

WTI原油は月曜に4.87%安で取引を終え、ガソリン先物も3.36%下落した。これにより、6月後半にはエネルギー価格由来のインフレ圧力が和らぐとの見方が強まっている。

ただし、ダラスに拠点を置くFounder ETFsのパートナー兼ポートフォリオマネージャーであるモナハン氏は、投資家がFRBの現在の姿勢に含まれるハト派的な意味合いを過小評価している可能性があると指摘している。

モナハン氏は、予想を上回る5月雇用統計の発表後にYahoo Financeの取材に応じ、堅調な成長にもかかわらず中央銀行が金利を維持する判断を「見えない利下げ」と表現した。

モナハン氏は「データは、おそらく利上げすべきだと示している。新たなウォーシュ体制の下での妥協点は、利上げしないということになると思う」と述べた。

過去の例も強気材料となる。イラク戦争の終結後、投資家のリスク選好が改善するなか、BTCは3カ月以内に約3ドルから5ドルへ上昇し、約65%の上昇率を記録した。

現在のマクロ経済環境は当時とは異なるが、原油との価格相関を見る限り、BTCは戦後の追い風を受けやすい状況にある。TradingViewのデータによると、BTCと原油の相関係数は、月曜の米イラン停戦合意後、6月初めの約0.70から0.08まで低下した。

BTC/USD price chart (Bitstamp) with daily candlesticks and volume bars; recent activity shows a small bullish move around 66k.
<BTC 対 原油(WTI)相関係数|出典:TradingView>

これほど急激な低下は、BTCが商品価格主導のインフレ懸念との連動が弱まりつつあることを示している。原油が戦前水準である65ドル付近に向けて下落を続ければ、インフレ期待の低下がデジタル資産にさらなる追い風を与える可能性がある。

BTC予測:予測市場はFRBの金利据え置きを軽視か、6月の7万5,000ドル回復に注目

米東部時間の月曜夕方時点でBTCが6万6,500ドル付近で取引されるなか、Kalshiのデータでは、下値目安のコンセンサスは5万9,000ドルとなっている。一方、6月のBTC反発見通しとして、上値予想は7万3,000ドルに集まっている。

Polymarketでは、7万ドルの目標価格に最も多くの取引が集まっており、取引高は71万7,000ドルを超えている。トレーダーは現在、BTCが月末までにこの水準に到達する確率を44%と見ている。

一方、6万7,500ドルの契約は82%のインプライド確率となっており、BTCが6月を通じて現在の水準を維持するか、それを上回るとの強い見方が示されている。

7万5,000ドルの目標は、なお投機的な色合いが強く、インプライド確率は約12%にとどまる。ただし、足元で日中のセンチメントが悪化しているにもかかわらず、この契約には引き続き大きな資金が流入しており、取引高は70万ドルを超えている。

Dark trading dashboard asking 'What price will Bitcoin hit in June?' with four price targets: 75,000; 72,500; 70,000; 67,500, each showing percentage change and a trend arrow, and paired green 'Buy Yes' and red 'Buy No' buttons.
<予測市場:2026年6月にBTCはいくらに到達するか|Polymarket>

短期的な見通しは、なお上向きだ。原油が戦前水準に向けて下落を続ければ、BTCの強気派はインフレ期待の緩和や流動性環境の改善を追い風に、再び買いを入れる可能性がある。

興味深いことに、7万ドル、7万2,500ドル、7万5,000ドルに連動する契約では、金価格が日中に2%上昇するなか、強気ポジションがいずれも大きく低下した。この慎重姿勢は、数日内に予定されているFRBの決定をめぐる不透明感を反映している可能性が高い。

地政学リスクの後退を受けた上昇相場はよく見られるが、追加材料がなければ失速しやすい。エネルギー価格の下落はインフレ緩和に役立つ一方で、景気後退を伴う場合には、需要の弱さを示すシグナルにもなり得る。

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