「機関投資家は本当に消えたのか」──CryptoQuantレポートから見る2026年の暗号資産市場の現在地【エックスウィン】

● CryptoQuantによると、暗号資産市場は弱気相場の影響で取引量が大幅に減少している一方、機関投資家の活動は特定の取引所に集中している。
● ビットコインETFからの資金流出や需要低迷により価格は苦戦しているが、機関投資家が完全に市場から撤退したわけではない。
● 取引所保有BTCは数年来の低水準まで減少しており、長期保有者の信念は依然として維持されている可能性がある。

筆者はCryptoQuant認定アナリストとして、日々オンチェーンデータや取引所データを分析している。

2026年に入り、多くの投資家が同じ疑問を抱いている。

「機関投資家は本当にビットコイン市場から撤退したのか」

ビットコインは年初来で大きく下落し、多くのアルトコインは70〜90%以上の下落を記録した。米国現物ETFからは継続的な資金流出が発生し、市場センチメントもExtreme Fear圏に沈んでいる。

確かに価格だけを見ると、市場から資金が消えているように見える。

しかし、CryptoQuantが発表した最新レポートを見ると、少し違った景色が見えてくる。

まず、市場全体の現物取引量は大きく減少している。

中央集権型取引所(CEX)の現物取引量は2026年4月に6,790億ドルまで低下し、2023年10月以来の最低水準となった。2025年10月のピークと比較すると約67%減少しており、弱気相場による個人投資家の撤退が鮮明になっている。

添付のチャートを見ると、その変化は一目瞭然だ。

2024年末から2025年初頭にかけては、ETF資金流入やトランプ政権誕生への期待から月間取引量が2兆ドルを超える水準まで急拡大した。しかし2025年後半以降は急速に縮小し、2026年にはピーク時の3分の1以下まで減少している。

これは非常に重要なポイントである。

現在の市場は「売り手が強い市場」ではなく、「買い手が少ない市場」なのだ。

価格下落そのものよりも、市場参加者の減少が大きな問題になっている。

先物市場も同様である。

無期限先物(Perpetual Futures)の取引量もピーク時から53%減少している。レバレッジを利用した投機資金が市場から離れ、過熱感が解消されている状況だ。

しかし、ここからが興味深い。

CryptoQuantは平均取引サイズを分析することで、どの取引所に機関投資家が多く存在しているかを調査している。

その結果、Gate、Kraken、OKXなどでは平均取引サイズが非常に大きく、特にGateは現物・先物の両市場で機関投資家の存在感が大幅に高まっていることが確認された。

つまり、出来高は減っているが、機関投資家が完全に消えたわけではない。

むしろ市場が縮小する中で、活動が一部の取引所へ集中している可能性が高い。

さらに流動性データを見ると、ビットコインの板の厚さ(Order Book Depth)はBinanceやGateに集中している。機関投資家は大量注文を執行する必要があるため、流動性の高い取引所を好む傾向がある。こうしたデータも、機関投資家の市場参加が続いていることを裏付けている。

さらに、オンチェーンデータからも興味深い傾向が確認できる。

Bitcoin Exchange Reserveのチャートを見ると、取引所が保有するビットコイン残高は継続的に減少しており、現在は約270万BTCと数年来の低水準にある。

通常、投資家が売却を検討する場合はビットコインを取引所へ送るため、取引所残高は増加する。しかし現在は価格が下落しているにもかかわらず、取引所残高は減少傾向を維持している。

これは多くの投資家が短期売買ではなく長期保有を選択していることを示唆している。

もちろん供給量の減少だけで価格上昇が保証されるわけではない。現状では需要不足が市場の最大の課題である。しかし、このデータは今回の下落がパニック的な大量売却によるものではなく、主に需要低下によって引き起こされている可能性を示している。

言い換えれば、「需要は弱いが信念は残っている」状態と言えるだろう。

もう一つ、今回のレポートで特に注目すべき点がある。

それはTradFi(伝統金融)とCrypto(暗号資産)の融合だ。

2026年には金・銀・原油・株価指数などの伝統資産を暗号資産取引所で取引する動きが急拡大した。TradFi関連の先物取引高は過去最高を更新し、金・銀がその中心となっている。

数年前まで暗号資産取引所は、ビットコインやアルトコインを売買するだけの場所だった。

しかし現在は、

・金
・銀
・原油
・米国株
・ETF
・株価指数

まで24時間取引できるプラットフォームへ進化しつつある。

GateはAlpacaとの提携を通じて1万銘柄以上の米国株・ETF取引にも対応を進めている。

筆者はこの変化を非常に重要視している。

なぜなら暗号資産市場の未来は、「ビットコインが上がるか下がるか」だけではないからだ。

本当の変化は、金融インフラそのものがオンチェーン化し、24時間取引可能なグローバル市場へ変化していくことにある。

もちろん短期的な需給は厳しい。

ETF資金流出は続き、ネットワーク活動も低下している。多くのアルトコインは200日移動平均線を下回り、市場心理も極端な悲観状態にある。

しかし歴史を振り返ると、最大の投資機会は常に悲観の中から生まれてきた。

現在の市場は価格だけ見れば弱気相場である。

だが市場構造を見ると、機関投資家の参加、取引所からのBTC流出、規制整備、TradFiとの融合は過去最高レベルで進んでいる。

価格は弱気。

構造は強気。

2026年の暗号資産市場は、この二つが同時に存在する極めて珍しい局面にあると言えるだろう。

■ショート動画

機関投資家は本当に消えたのか?|CryptoQuantが示す意外な真実【エックスウィン】
https://youtube.com/shorts/gTmtDb1a684

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