「ステーブルコインを知らない」前提で活用する——ネットスターズが示した決済実装の現実解【BCCC Collaborative Day】

一般社団法人ブロックチェーン推進協会(BCCC)が主催した業界カンファレンス「第9回 BCCC Collaborative Day」が21日、都内で開催された。今回はステーブルコインの社会実装が主要テーマに位置づけられ、USDCなどの店舗決済での活用を進めるネットスターズ取締役CFOの安達源氏が、実証段階から実運用に向かう現状と今後の展望を語った。

同社は2009年に設立。QRコード決済などキャッシュレス決済サービスを手がけ、国内外の多様なコード決済を一元管理できる環境を提供している。2015年に中国の「WeChat Pay」を代理店として日本で初めて導入した。2023年には東証グロース市場に上場し、足元ではステーブルコインを活用した次世代決済基盤の構築に取り組んでいる。

安達氏は自社について「日本で初めてQRコード決済を扱った」とし、本質的には、料金収納代行を営む「Web 2.0の企業」だと説明。そのうえで、Web3業界の現状について、ビットコイン(BTC)の登場から約15年が経過しながらも「決済、送金の分野で社会的な変革は起きていない」と指摘。「スーパーでビットコインが日常的に使われる状況には至っていない」とし、理論と実社会の乖離を強調した。

同社が展開する「StarPay」は、PayPayなど国内の主要なQR決済ブランドをはじめ、クレジットカードや交通系ICなど幅広い決済手段に対応するマルチ決済プラットフォーム。スーパーやドラッグストア、飲食店など幅広い業態で導入が進んでおり、約1万7000の加盟店を抱えるという。加盟店側は複数の決済手段を一元的に管理・精算できる。

こうした“まとめる”機能が、同社の中核事業となっている。

〈ネットスターズのStarPayが対応する決済手段:同社サイトよりキャプチャ〉

こうした事業特性の下、同社は「新しい決済手段は早期に取り込む」方針を掲げ、ステーブルコイン決済を既存の決済網と「同じ線路に載せる」取り組みを進めている。

同社は今年1月から2月にかけて、羽田空港でステーブルコイン決済の実証実験を実施。MetaMask(メタマスク)ウォレットを用いてユーザーが生成したQRコードを既存の決済端末で読み取ることで、顧客はドル建てステーブルコインUSDCで決済ができる仕組みを導入した。加盟店側のオペレーションを変更せず、従来のQRコード決済と同様に利用できる形を目指したと安達氏は振り返った。

安達氏は「加盟店の多くは、ステーブルコイン(の存在や仕組み)を知らない」と述べ、「普通のレジ業務の中で、これまでと同じように処理できることが重要だ」と強調した。

また、第2弾として進行中の姫路市のトレーディングカードショップでのUSDC決済については、インバウンド客を主な対象としていると説明。高額なカードを購入する際、クレジットカードの利用上限に抵触するケースがあるとし、ステーブルコインによってそうしたニーズに対応できる可能性があるとした。

実証では、規模の異なる店舗を対象に検証を進めているという。第1弾では大規模店舗として同空港の土産店を、第2弾では小規模店舗としてカードショップを選定し、それぞれの現場オペレーションを確認していると説明した。

イシュア不在がもたらす普及の壁

同社は今月、新たな決済基盤構想「StarPay-X」を発表している。

▶関連記事:ネットスターズ、店舗でのステーブルコイン決済拡張へ──対応チェーン・ウォレット拡大の新構想「StarPay-X」発表

安達氏は、複数のブロックチェーンやウォレット、通貨に対応する「マルチ構想」を掲げ、ステーブルコインも既存のキャッシュレス決済と同様に統合していく方針を改めて示した。

一方で、ステーブルコインの普及には課題も多いと指摘した。要因としてまず挙げたのが、インセンティブ設計の難しさ。ステーブルコインには、クレジットカードで言うところのVISAやMastercardのように手数料収入を原資として大規模なポイント還元を担う主体が存在しない。このため、PayPayが黎明期に展開したようなキャンペーンを打ちにくく、利用者への訴求力が弱まりやすいと説明した。

また、コスト面についても単なる決済手数料の引き下げにとどまらない視点が必要だとした。現状、クレジットカードの加盟店が支払う約3%前後の手数料を低減できる可能性がある一方、真の価値は決済後の資金をステーブルコインのまま安価に送金できる点にあると指摘。BtoB領域まで含めた資金移動の効率化こそが、ステーブルコイン活用の本質的なメリットになるとの認識を示した。

さらに、銀行などによる円建てステーブルコインの普及が進めば、利用環境の整備が進む可能性があるとし、ユーザー認知の向上が重要になると語った。

|取材・文・写真:橋本祐樹
|トップ画像:基調講演したネットスターズ取締役CFOの安達源氏

PR

ボーナスで始めるのにおすすめな国内暗号資産取引所3選

取引所名特徴

Coincheck
500円の少額投資から試せる!】
国内の暗号資産アプリダウンロード数.No1
銘柄数も最大級 、手数料も安い
無料で口座開設する

bitbank
【たくさんの銘柄で取引する人向け】
◆40種類以上の銘柄を用意
◆1万円以上の入金で現金1,000円獲得
無料で口座開設する

bitFlyer
初心者にもおすすめ】
◆国内最大級の取引量
◆トップレベルのセキュリティ意識を持つ
無料で口座開設する