・アーべ(Aave)で発生したエクスプロイトがDeFi(分散型金融)市場に流動性ショックを引き起こし、イーサリアム(ETH)は2,300ドルを下回った。
・DeFi全体のTVL(預かり総資産額)が60億ドル減少するなか、トレーダーの弱気姿勢が強まり、ショートポジションは10億ドル超まで積み上がった。
・Coinbase(コインベース)の幹部は、今後のエクスプロイト対策としてAI(人工知能)を活用した防衛システムの有効性を指摘した。
Aaveのエクスプロイトでイーサリアムが2,300ドルを下回る
ETHは4月19日の日曜日、2,300ドルを下回った。この水準を割り込むのは1週間ぶりだった。日次では3%下落し、DeFi市場全体でリスクセンチメントが悪化するなか、ETHは主要10銘柄の暗号資産の中でも特に軟調な値動きとなった。
今回の売りは、イーサリアム最大級のレンディングプロトコルであるAaveで発生した重大なエクスプロイトによってさらに加速した。この影響で、Aaveのバランスシートには2億ドル超の欠損が生じた。
原因となったのは、rsETHブリッジの脆弱性だった。攻撃者はこの欠陥を突いて偽造トークンを発行し、それをAaveに担保として預け入れたうえで、ステーブルコインやETHなどの正規の資産を借り出し、そのまま資金を持ち去った。
Aaveは単一の流動性プールで運営されているため、損失は事実上すべての預金者に広く負担される形となり、プロトコル全体が担保不足の状態に陥った。この問題によって信認は急速に悪化し、週末にかけて預金者の間では取り付け騒ぎのような動きが広がった。

DeFiLlamaによると、AaveのTVLは4月18日の260億ドルから、4月20日には179億ドルまで減少した。48時間で80億ドルが流出したことになる。
この事態を受け、Coinbaseでステーブルコイン部門を担当するKenny Chan氏は、今後同様のエクスプロイトによる被害を軽減する手段のひとつとして、AIを活用した防衛システムに言及した。
「AIモデルの高度化と、オープンなプロトコルの透明性の高さは危険な組み合わせになり得る。しかし、同じだけの注力をAI防衛に向ければ、最終的にはより堅牢で、実戦で鍛えられたプロトコルにつながるだろう」―Coinbase ステーブルコイン部門幹部 Kenny Chan氏、2026年4月19日
このほかの対策としては、分離型のレンディング市場、より高速なオラクルシステム、異常な担保流入を検知する自動サーキットブレーカーなどが提案されている。
DeFiのTVLが60億ドル減少するなか、ETHのショートは10億ドル超えに
DeFi全体のTVLは過去24時間で7%減少し、860億ドルとなった。これは、リスクに敏感なプロトコルから資金が逃避している影響を反映している。
これと同時に、ホルムズ海峡の通航再開に向けた協議が停滞したことで地政学的緊張が再燃し、マクロ面での圧力も改めて強まった。Kalshiでは、4月中にホルムズ海峡の通航が通常状態に戻る確率が25%まで低下しており、地政学的な摩擦が続くとの見方が反映されている。

デリバティブ市場のデータによると、日曜日に1億2,200万ドルのロング清算が発生したことを受け、ETH先物市場は週明けから大きく弱気に傾いた。CoinGlassによると、イーサリアム現物の2.8%下落に対し、建玉の減少は1.84%にとどまった。価格の下落幅に比べて建玉の減少幅が小さい場合、ETHが2,300ドルを割り込む過程で積極的なロング清算が起きたことを示すのが一般的だ。
ETH先物の取引高は日中に37%増加し、ロング・ショート比率は0.95まで低下した。こうした動きの多くが弱気方向の賭けに傾いていたことを裏付けている。

清算マップのデータも、この偏りをさらに浮き彫りにしている。ショートポジションは10億ドルを超えた一方、ロングのエクスポージャーは5億6,000万ドルを下回った。
足元でETHは2,290ドル付近で推移しているが、ショートのかなりの部分は2,360ドル前後に集中している。トレーダーが、日中の戻り局面ではこの水準が抵抗帯になると見込んでいることを示唆している。
イーサリアム価格見通し トレーダーはDeFiリスクと反発余地を見極める
日中の先物市場では弱気ムードが強いものの、イーサリアムの予測市場データを見ると、トレーダーは長引く下落を完全には織り込んでいないようだ。

月曜日を前にした時点で、4月残りの期間に対するETH見通しはより均衡したものとなっている。月末までにETHが2,600ドルに到達する確率は21%まで上昇し、この日だけで2ポイント上積みされた。一方、2,000ドルまで下落するとの弱気シナリオは25%まで大きく低下しており、より深い調整への確信が後退していることを示している。
下方向への備えはなお維持されているものの、資金は上昇シナリオにも流入している。相場が一方向に動くというより、変動の大きい展開が続くとの見方が広がっていることを示している。
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