暗号資産(仮想通貨)取引所Binance(バイナンス)から約1兆円相当の暗号資産が流出した事件を受け、暗号資産企業向けの保険の引き受け審査が厳しくなる見通しだ。ロイターが11月6日、保険業界の関係者らの話として報じた。
バイナンスを巡っては、10月30日未明(日本時間)、ハッキングを受けて約1兆円相当の暗号資産が流出した。
バイナンスは事件当時、サイバー保険に加入していなかった。サイバー保険は、不正アクセスや情報漏えいなどで企業に生じる損失に備える保険だ。契約によっては、原因の調査やシステムの復旧にかかる費用、事業の中断による損失などが補償される。
同社は事件後、利用者保護基金「SAFU」と自社資金で損失を全額補償する方針を示した。SAFUは、ハッキングなどに備えて同社が取引手数料の一部を積み立ててきた基金で、外部の保険や再保険による裏付けもなかった。
既存契約では、次回の更新時に審査が厳しくなると、ロイターが取材した業界関係者はみている。バイナンスの調査でセキュリティー上の弱点が特定されれば、保険会社は顧客企業にも同じ弱点がないかを確認し、該当する企業には弱点の解消を契約更新の条件とする可能性がある。
一方、格付け会社の担当者はロイターの取材で、現行の暗号資産向け保険に全額を補償できる契約はないと指摘した。
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|文:平木 昌宏
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