ポイント
●8.1万ドルから7.5万ドルに反落、前日上昇分を吐き出す
●データセンター建設停滞懸念で株急落
●中間選挙による政策変化は限定的、市場のセンチメントの揺れか
●雇用統計次第でセンチメント一変の可能性
昨日のBTC市場
昨日のBTC市場は反落した。
前日に7.5万ドル(約1,185万円)台から8.1万ドル(約1,280万円)台まで上昇した分を吐き出し、安値を更新。2日ならしてみれば「上に行ってこい」の展開となった。
BTCは8.7万ドルでピークアウトし、下降チャネルを形成。先週のBinanceでの大規模ハッキングを受け、8.2万ドル手前から7.6万ドル近くまで値を落としたが、日曜日に出金を再開したことを受け、半値戻しとなる7.9万ドル近辺まで反発した。
中間選挙で民主党が下院で過半数を確保すると7.6万ドルを割り込んだが、8月上昇の半値押しと9月安値が重なる7.5万ドル台で下げ渋ると、上院でも民主党が過半数を確保したことで「Buy the Fact」気味に反発。さらにトランプ大統領が選挙結果を受け入れるとしたことから株先物が反発し、海外時間に入り米株が高寄りすると、前日に跳ね返された7.9万ドルを上抜け、ショートカバーを巻き込んで8.1万ドルにワンタッチした。
しかし、ハッキング前の戻り高値で上値を押さえられると、バンス副大統領がイラン戦争を敗因と指摘したことを受け原油価格が急落する中でも、BTCは底堅い展開を続けた。 その後、海外時間に入ると知事選でも民主党が勝利した影響でデータセンター建設が阻害されるとの見方からAI半導体株が急落し、米株が2025年4月のトランプ関税以来の急落を見せる中、BTCも7.5万ドル台に急落。前日の上昇分を吐き出した。さらに今朝方、前日安値を更新したが、前述の7.5万ドル台にサポートされ下げ渋っている。
本日のBTC市場
本日のBTC市場は底堅い展開を予想する。

昨日のXで「中間選挙を受けてBTCは乱高下したが、終わってみれば下降チャネル内でのレンジ取引。レンジの下限でサポートされ、上限付近で上値を重くしている」と申し上げたが、結局跳ね返されて下限付近に戻ってきた。また「ちょうど一目の雲の下限でサポートされているので、ここを下回らないことがポイント」と申し上げたが、ここを割り込み3役逆転の売りサインが点灯し、下げ足を速めた格好となっている。
材料的には知事選を受けたデータセンター建設ストップへの懸念。日経新聞によれば当選議員によるネガティブな発言も相次ぎ、市場の不安を掻き立てた格好だ。こうした動きを受けてトランプ大統領は株が暴落したのは民主党のせいだとSNSに投稿。ただし3指標とも下落率は2025年4月以来、すなわちトランプ関税以来の下げ幅となっている。
しかし、冷静に見れば、前日上がり過ぎた分の反落と見ることもできる。暗号資産市場で見れば、民主党が上下両院で過半数を獲得しても政権が代わる訳ではなく、新たな法律を通すことも難しいため実質的な変化はあまりないと申し上げた。それでも、反暗号資産派を自認するエリザベス・ウォーレン議員の上院銀行委員長就任の可能性や、暗号資産ロビーが2024年選挙で落選に追い込んだブラウン前銀行委員長の復活当選など、決してプラスに働く訳ではない。その割に前日に上がり過ぎた分の調整が発生した格好だ。需給面でも前日のETFフローは7,400万ドルのプラスに過ぎず、短期勢が相場を持ち上げたせいか、昨日はCoinglassによれば11億ドルのロングの清算が発生している。
民主党のテキサス州新知事は、既に承認済みのデータセンター建設は認めるとし、今後は電気料金の高騰抑制、水資源の管理、税優遇の見直しが整うまで新規承認をストップする方針とされる。すなわち影響が出るのは主に2028年後半以降とされ、当面先の話で、場合によっては代替地への振り替えも可能だ。また一部では7月の大規模なポジション清算を余儀なくされたヘッジファンドの話が蒸し返されている模様だ。
暗号資産業界ではトランプメディアのBTC移動やマイニング企業の売却・撤退が話題となった。前者は転換社債の担保を希望償還期間開始前に売却しやすいアカウントに移動したものと推察され、実際に期日前償還されるのか、その場合でも担保BTCが売却されるのかはまだ不透明だ。後者について、マイニング企業が保有BTCを売却したり、ブームのAIデータセンターに投資を振り向けることは今に始まった話でもない。市場が下落する過程の中で通常の出来事が弱気に解釈されている格好で、センチメントの揺れによるものであり、過度に悲観的になる必要はないと考える。
本日は雇用統計が発表される。12月利下げの織り込みは低下しており、数字によっては市場のセンチメントが一変し、BTCの追い風になる可能性もある。
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※この記事は「楽天ウォレット」のデイリーレポートを転載したものです。
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