金融安定理事会(FSB)は10月12日、G20の財務相・中央銀行総裁に対し、ステーブルコインの監督で国際的な連携を強めるよう求めた。FSBの発表によると、10月15日の会合を前に、議長書簡と国境を越えたリスクを分析した資料を公表した。
FSBは、各国の規制が金融システムの安定を重視し、国境を越えて有効に機能する必要があると強調した。監督当局間の情報共有や2023年の勧告の実施に加え、発行体が経営難や破綻に陥った際の対応準備を今後の課題に挙げた。
背景には、ステーブルコインの国際的な流通に対し、各国の制度整備が追いついていない問題がある。FSBは10月8日付の議長書簡で、規制整備の速度に差があり、国境を越えた協力も初期段階にあると指摘した。海外で発行されたコインの扱いや、危機時にどの当局が対応するかが明確でない国・地域も多いという。
FSBの分析資料によると、2026年半ばのステーブルコイン市場は約3000億ドル(約47兆4000億円、1ドル=158円換算)。金額ベースで99%が米ドルに連動し、主に暗号資産(仮想通貨)の取引に使われている。
監督上の課題は、国境を越えた流通の実態を把握しにくい点だ。発行体が保有者の所在や、どこで換金要求が生じるかを把握できない場合がある。要求が急増すると、裏付け資産の売却などを通じ、銀行や金融市場にも影響が及ぶ恐れがある。
データにも課題がある。取引記録だけでは利用目的や保有者の国・地域を特定しにくく、データ提供会社によって集計方法も異なるという。
国際協調の必要性は、以前から指摘されてきた。国際決済銀行(BIS)の総裁も4月20日の講演で、各国の規制の違いが市場の分断や規制の抜け道につながりかねないと警告した。
FSBは、加盟国や関係当局が、保有状況や換金、準備資産の地理的な分布などを監視する指標の整備を検討することを挙げた。
議長書簡では、2023年の勧告に沿って各国の規制の実効性をそろえることが、ステーブルコインを国境を越えて安全に利用するために必要だと強調した。
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|文:平木 昌宏
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