●Securitize(セキュリタイズ)がソラナ上で配当・議決権付きのトークン化米国株の提供を開始したことを受け、同社の株価は10%超上昇し、13ドル近辺に達した。
●暗号資産(仮想通貨)市場全体が軟調となるなか、SOLは4%下落して110ドルとなった。ソラナ(SOL)の保有者の間で、材料の発表を受けて売りに動く「事実売り」が起きた可能性がある。
●ブロックチェーン上で流通する現実資産(Distributed RWA)の価値で、ソラナは43億7000万ドルと、イーサリアム(ETH)、BNBチェーンに次ぐ3位に位置している。
ソラナでトークン化米国株の提供が始まり、セキュリタイズ株が10%上昇
セキュリタイズの株価は木曜日に11%超上昇し、12.70ドル前後で取引された。時価総額は約20億ドルとなった。
この上昇は、同社がソラナ上でトークン化米国株の提供を開始したことを受けたものだ。
「Securitize Stocks(セキュリタイズ・ストックス)」と名付けられた新サービスでは、利用条件を満たす投資家が、ブロックチェーンを通じて米国の主要上場企業の株式に投資できる。
トークン化された有価証券は、原資産となる現物株式によって1対1で裏付けられている。セキュリタイズの発表によれば、投資家には、配当を受け取る権利など、対象株式に付随する権利が維持される。議決権も、裏付けとなる株式の種類に議決権がある場合には維持される。
当初の取扱銘柄には、アップル、エヌビディア、マイクロソフト、テスラと、その他8社の米国企業のトークン化株式が含まれる。
取引は当面、セキュリタイズの登録ブローカー・ディーラーのプラットフォームを通じ、通常より長い取引時間で行われる。同社は将来的に24時間365日の取引に対応する計画だが、具体的な時期は示していない。
トークン化株式の決済にはソラナ上のUSDコイン(USDC)を使用し、Jump Trading(ジャンプ・トレーディング)がマーケットメイクを通じて流動性を提供する。
セキュリタイズによれば、各トークンは、米国統一商法典(UCC)第8編に基づく「証券に関する権利(security entitlement)」を表す。この仕組みは、原資産となる有価証券に付随する法的・経済的な権利を維持するよう設計されている。
同社は、ニューヨーク証券取引所(NYSE)とOKX(オーケーエックス)が開発中の証券プラットフォームを通じても、トークン化株式を提供する計画だ。ただし、提供開始日は発表されていない。
今回のサービスは、決済、分散型金融(DeFi)、暗号資産の取引に加え、ソラナの機関投資家向けの新たな活用事例となる。
一方、SOLの価格は逆方向に動いた。
SOLは木曜日の取引で、時価総額上位10銘柄の暗号資産のうち最大の下落率を記録した。10月9日(金)午前8時(米国東部時間)時点では、約4.39%下落して110ドルとなった。

この下落は、ビットコイン(BTC)とETHも値を下げるなかで起きた。BTCは一時8万2000ドルを割り込み、ETHは2500ドルを下回った。
SOLの下落幅がより大きかったことから、一部の保有者がセキュリタイズの発表を受けて「事実売り」に動いた可能性がうかがえる。今回の発表は、トークン化金融市場におけるソラナの役割を強めるものだった。
セキュリタイズ、韓国でもトークン化株式の展開を模索
今回のソラナ上でのサービス開始は、セキュリタイズがトークン化事業を幅広く拡大するなかで実現した。
Yahoo Finance(ヤフーファイナンス)のデータによると、同社の株価は過去1カ月で約54%上昇している。

木曜日の値上がりで、同社の株価が取引時間中に大きく上昇したのは今週2度目となった。
火曜日にも、韓国のIT企業LG CNS(エルジーシーエヌエス)との提携発表を受け、取引開始後の早い時間帯に株価が8%近く上昇していた。
セキュリタイズの発表によれば、この提携では、金融機関向けにトークン化ファンド、株式、ステーブルコインの活用を検討する。また、韓国の金融機関と世界の資本市場をつなぐインフラにも重点を置いている。
セキュリタイズはこれに先立つ9月、ドバイ仮想資産規制局(VARA)とも覚書(MOU)を締結した。セキュリタイズの発表によれば、この合意は、ドバイで規制に準拠したトークン化の取り組みを支援することを目的としている。
今回のソラナ上でのサービスも、従来の証券市場とブロックチェーンを基盤とする金融インフラをつなぐ、新たな架け橋となり得る。
想定される用途は、トークン化株式の売買だけにとどまらない。
セキュリタイズによれば、Ripple Prime(リップル・プライム)はサービス開始を支援するとともに、これらの資産を機関投資家向け取引サービスに組み込むことを検討する計画だ。
また、分散型融資プラットフォームのAave(アーベ)も、トークン化株式を担保として利用できる場の候補に挙がっている。
これにより、従来の株式が分散型金融市場に組み込まれる道が開ける可能性がある。投資家は、対象企業への投資による経済的な利益やリスクを維持しながら、トークン化株式を担保として活用できるようになるかもしれない。
こうした動きは、トークン化を、従来の証券を単にデジタル形式で表現する段階から先へ進めるものだ。株式を、融資や取引をはじめとするブロックチェーン上の金融サービスにつなぐ可能性が生まれている。
世界のトークン化資産が400億ドルに迫るなか、ソラナはイーサリアム、BNBチェーンに次ぐ3位
セキュリタイズのサービス開始の背景には、さまざまなブロックチェーンでトークン化された現実資産が拡大している状況がある。
RWA.xyzのデータによると、木曜日時点で、ステーブルコインを除くトークン化された現実資産の総額は約390億7000万ドルに達した。

RWA.xyzによれば、総額は1年前の253億6000万ドルから増加しており、トークン化資産市場の大幅な拡大を示している。
ブロックチェーン上で流通する現実資産(Distributed RWA)の価値で見ると、ソラナはブロックチェーンの中で3位に位置している。
イーサリアムは約168億8000万ドルで首位を維持し、BNBチェーンが約58億1000万ドルで2位に続く。
ソラナは約43億7000万ドルで、それに続いている。この規模は、拡大するトークン化金融資産市場において、ソラナが相応のシェアを占めていることを示す。
配当や株主としての権利を備えたトークン化米国株が、機関投資家と個人投資家から継続的な需要を集めれば、セキュリタイズの新サービスはソラナの地位をさらに強める可能性がある。
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