米プロアメリカンフットボールリーグ(NFL)は10月8日、米連邦最高裁に意見書を提出した。スポーツ予測市場にも、州の免許や年齢制限など、通常のスポーツ賭博と同じルールを適用すべきだと主張した。
NFLは、スポーツ関連契約も実質的な「賭博」であり、現在のCFTCや予測市場事業者の対策では、試合の公正さや利用者を守る仕組みが不十分だと指摘。最高裁に早期の審理を求めた。
予測市場は、予想が当たると払い戻しを受けられる契約を売買する仕組みだ。スポーツでは試合の勝敗や選手の成績などが対象となる。
NFLによると、今季開幕後最初の日曜日の予測市場全体の取引高33億ドル(約5214億円、1ドル=158円換算)のうち、18億ドル(約2844億円)がNFL関連だった。
米国内では合法性への見解が割れている。州当局は、州の免許なしに賭けを提供することは違法だと主張。一方、運営会社Kalshi(カルシ)は、連邦政府が監督する金融商品であり、州の賭博法は適用されないとしている。
米商品先物取引委員会(CFTC)も、自らが規制を担うと主張。2月17日の発表では、イベント契約にはリスクを抑える役割があると説明した。
今回、NFLが第三者として支持したのは、カルシと争うニュージャージー州当局だ。同州当局は控訴審で敗れ、9月2日に最高裁に審理を求めた。
裁判所の判断も割れている。同州の訴訟ではカルシ側が支持されたが、ほかの地域では州の規制を認める判断が出た。スポーツ契約が「スワップ」という金融商品に当たるかで解釈が分かれている。
NFLは、金利や為替などの既存のリスクを抑える金融商品に対し、賭けは新たなリスクを生むと主張した。金融危機を受けて作られた法律が、州の賭博ルールを排除したとは考えられないとしている。
特に懸念するのは、1人で結果を変えられる契約や、関係者が事前に答えを知り得る契約だ。キッカーがキックを失敗するか、最初のプレーがランかパスかなどを挙げ、選手のけがへの賭けも問題視した。
NFLは州当局や免許を持つ事業者と、危険な賭けの制限や不審な取引の監視を進めてきた。一方、予測市場の対策は不十分だと批判し、内部情報を持つ関係者の取引を防ぐため、リーグとの情報共有を求めた。
年齢制限にも差がある。NFLは、多くの州がスポーツ賭博を21歳以上に制限する一方、予測市場では18歳から取引できる点を問題視した。
10月9日時点の最高裁の事件記録では、審理を受け入れる決定は確認できない。カルシ側の回答期限は11月9日となっている。
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|文:平木 昌宏
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