「ゴッドファーザー」を自称する暗号資産(仮想通貨)実業家に、懲役6年6カ月が言い渡された。米カリフォルニア州の連邦地裁が10月5日に判決を下したと、米カリフォルニア中央地区連邦検察局が同日発表した。メタへの詐欺、脱税、保安官代理と共謀した権利侵害が対象となった。
メタから詐取した金額は3700万ドル超(約58.5億円、1ドル=158円換算)に上る。対立相手への脅迫には、保安官代理の捜査権限まで利用していた。2025年1月に3つの罪で有罪を認めており、今回の判決では2340万2766ドル(約37億円)の被害弁償も命じられた。
メタは、フェイスブックやインスタグラムなどのSNSを運営する米IT大手だ。詐欺に使われたのは、メタの広告管理サービス「ビジネスマネージャ」のアカウントだ。被告はアカウントと広告費の支払いに使える信用枠へのアクセスを不正に取得し、その利用権を広告会社に販売していた。
不正利用された広告費は正規顧客に請求され、発覚後にメタが返金したため、同社が損失を負った。被告はこうして得た収入について法人税の申告も怠り、会社の所有者であることを隠して収入を暗号資産の保管業者へ移すなどしていた。
さらに、対立相手への脅迫にはロサンゼルス郡保安官局(LASD)の勤務時間外の保安官代理を利用していた。同検察局が公表した司法取引の内容によると、保安官代理は捜査用データベースや不正に取得した令状を使い、相手の個人情報や居場所を調べていた。
2022年には、被告が「多額の暗号資産にアクセスできるノートパソコン」を持っていると考えた人物を標的にした。
保安官代理は虚偽の理由で令状を取得し、携帯電話の位置情報から居場所を特定。被告はパソコンを奪うため、武装した3人をその人物の自宅へ向かわせた。3人は侵入を試みたが、被害者が発砲したため逃走した。
被告は別件のビットコイン(BTC)強盗未遂・誘拐事件への関与でも、9月に懲役15年を言い渡されている。今回の6年6カ月の刑は、その15年の刑と同時に執行される。
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|文:平木 昌宏
|画像:Adobe Stock


