三井住友銀行など9社、ステーブルコインでデジタル証券の同時決済を実証

三井住友銀行など9社は10月6日、デジタル証券(セキュリティ・トークン、ST)をステーブルコインで決済する実証実験「Project Trinity」について、第2段階までを終えたと発表した。

各社によると、デジタル証券の売買では現在、証券の受け渡しと代金の支払いが必ずしも同時ではない。一方だけが先に済む場合があり、相手が約束を果たさなければ元本を失うリスクがあるという。

そこで試したのが「DvP(Delivery versus Payment)」と呼ばれる決済方式だ。証券と代金を同時に交換し、片方だけが先に動くのを防ぐ。代金の支払いには、法定通貨と価値が連動するステーブルコイン(SC)を使った。

证券取引の決済フローを示す図。SBI証券・大和証券・SMBCが原簿管理契約やODX決済、DvP決済を経て決済を実行する流れを矢印で表現。

第2段階の実証は2026年4月〜9月に、大和証券とSBI証券の間で行った。

証券はSBI VCトレードが、代金は三井住友銀行が、この検証のためにそれぞれ発行したST社債と信託型のSCを使った。

大阪デジタルエクスチェンジのST取引市場「START」での売買を想定し、2件の取引を決済している。

STの発行・管理基盤はProgmatが、異なるブロックチェーン上のSTとSCをつなぐ技術はProgmatとDatachainが担った。

デジタル証券PTSと関係者を示す四区分の情報図。左上に大和証券とSBI証券、左下に大阪デジタルエクチェンジ(ODX)、右上にSBI VCトレードと三井住友銀行(SMBC)がある。

検証ではSCの購入や償還、通常の決済に加え、SCが足りない場合や取引内容が食い違う場合の対応も試した。

各社は、想定した範囲で期待どおりの結果が得られたとしている。当面の目標には、約定の2営業日後(T+2)にDvPで決済する形を掲げる。

デジタル証券のDvP決済では4月にも、SBI証券や大和証券など6社が、銀行預金をトークン化した「DCJPY」を使う実証を終えたと発表している。今回は、支払いにSCを使った点が異なる。

各社は、T+2でのDvP決済が実現できる見通しを「一定程度」確認できたと説明している。

【次に読む】
» 国内初──SBI証券ら6社、トークン化預金「DCJPY」でST決済を実証完了
» 「トークン化預金」でのセキュリティ・トークン決済を検証──二次流通の「壁」を打破できるか
» SBIと三井住友銀行、円ステーブルコインで提携

|文:栃山直樹
|画像:リリースから

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