Metaplanet(メタプラネット)は10月2日、過去に提出した有価証券報告書など計4件を訂正した。Simon Gerovich(サイモン・ゲロヴィッチ)CEOが、株主のMMXX Ventures Limited(MMXXベンチャーズ・リミテッド)の議決権の過半数を間接保有するとの記載を改め、過半数は保有していないと明らかにした。
問題となるのは、ゲロヴィッチCEOがメタプラネットの経営判断を担う一方、MMXXの親会社にも出資している点だ。MMXXに有利な取引が行われれば、同CEOも持分に応じて経済的利益を得る可能性がある。会社とMMXXのどちらの利益を優先したのか疑問が生じ得ることが、利益相反として問題視された。
MMXXは2023年2月、メタプラネットの第三者割当増資を引き受け、主要株主となった。その後も、新株予約権の行使などを通じてメタプラネットと取引してきた。
2024年8月には、MMXXがメタプラネットに10億円を融資した。メタプラネットは全額をビットコイン(BTC)の購入に充てた。この融資は関連当事者取引とされ、ゲロヴィッチCEOは利益相反を避けるため、取締役会の審議と決議に参加しなかった。
同じ時期、MMXXは保有していたメタプラネット株を段階的に売却していた。メタプラネットが株式発行による資金調達を進める一方、関係する大株主が株式を売却していたことから、Xでは取引の透明性を疑問視する声が上がった。
2026年に入ると、役職員向けの第10回新株予約権による株式の希薄化を巡り、株主の批判が強まった。これに伴い、ゲロヴィッチCEOとMMXXの関係にも改めて注目が集まった。
株主からは、MMXXの所有者は誰なのか、同CEOはどの程度の経済的利益を持つのか、株式売却によって利益を得たのかといった説明を求める声が出ていた。
ゲロヴィッチCEOは9月6日、Xへの投稿で説明した。自身はMMXXの親会社の重要な株主ではあるものの、過半数株主ではないと説明した。また、MMXXの取締役や業務執行を担う役員ではなく、投資や株式売買の意思決定にも関与していないと主張した。
しかし、Xでは説明が不十分だとする反応が相次いだ。過去の有価証券報告書には、ゲロヴィッチCEOがMMXXの議決権の過半数を間接保有すると記載されていたためだ。
株主からは、Xでの説明と正式な開示書類のどちらが正しいのか、過半数を持たなくてもMMXXから経済的利益を得る可能性はないのかといった疑問が示された。
メタプラネットは10月2日、2023年12月期から2025年12月期までの有価証券報告書と、2024年6月中間期の半期報告書をまとめて訂正した。MMXXをゲロヴィッチCEOらが過半数所有する会社とした記述を削除し、同CEOはMMXXの議決権の過半数を保有していないと明記した。
ただ、今回の開示では、ゲロヴィッチCEOがMMXXの親会社にどの程度出資しているかは示されていない。MMXXによるメタプラネット株の売却で、同CEOが利益を得たかどうかについても説明はされていない。
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|文:平木 昌宏
|トップ写真:3月25日、イベントに登壇するゲロヴィッチ氏(撮影:橋本祐樹)