香港特別行政区政府は9月29日、総額約200億香港ドル(約4000億円、1香港ドル=20円換算)のデジタルグリーン債について、価格決定を完了したと発表した。香港政府によると、発行規模はデジタル債として世界最大となった。
今回発行するのは、調達した資金を環境関連事業に充て、発行や管理にデジタル技術を活用する債券である。香港ドル、人民元、米ドル、ユーロの4通貨建てで、投資家からの購入申し込みは発行額の1.3倍から11.3倍に達した。
デジタルグリーン債とは、環境関連事業の資金を集める「グリーン債」を、ブロックチェーンなどのデジタル基盤上で発行・管理する債券である。
香港政府によるデジタルグリーン債の発行は、2023年以降で4回目となる。2023年には世界初のトークン化政府グリーン債を発行。その後、複数通貨建てでの発行やデジタル通貨による決済を導入してきた。
前回の発行では、デジタル形式の香港ドルと人民元による中央銀行マネーを決済手段として導入した。今回はこれに加え、香港ドル建て債券の発行時の決済に、トークン化預金を導入した。香港ドルのトークン化預金を統合したデジタル債は世界初だという。
トークン化預金は、銀行預金をデジタル上で表現し、移転や決済に利用できるようにしたものだ。香港政府は、今回の導入がデジタル通貨のプログラム可能性を探る基盤になるとしている。
今回の債券は、香港金融管理局(HKMA)が運営する債券決済システムを通じて決済される。海外の主要な証券決済システムとも接続し、決済期間は取引日の翌営業日となる。調達資金は、香港政府のグリーンボンド枠組みに定める環境関連事業の新規投資や借り換えに充てる。
債券情報には、国際資本市場協会が定める最新の「債券データ分類2.0」を採用した。発行額や通貨、満期、金利、重要日程などを機械が読み取れる形式で整理し、債券の発行から償還までのデータ連携や自動化を進める狙いだ。
香港政府は、デジタル債を定期的に発行する方針を打ち出している。2月に公表した予算案では、トークン化債券やデジタル資産の利用拡大を進める方針を示した。
HKMAも6月、金融機関や市場インフラ企業などが参加するトークン化債券の専門家グループを設立した。政策、市場慣行、技術面の課題を整理し、デジタル債市場の拡大につなげる。
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|文:平木 昌宏
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