米映画館大手AMC Entertainment Holdings(AMCエンターテインメント・ホールディングス)のAdam Aron(アダム・アロン)CEOは9月3日、同社が承認していないAMC株式トークンの取引停止をRobinhood(ロビンフッド)に要求した。ロビンフッドは要求を拒否し、両社の対立が表面化したと、Decryptが9月4日に報じた。
ロビンフッドは2025年6月、欧州で米国株のトークン化商品の提供を開始した。購入者が実際の株式を持つのではなく、対象となる株式の値動きに応じて価格が上下するトークンを取引する仕組みだ。配当なども商品価格に反映されるが、議決権など株主としての権利は得られない。
今回の要求に対し、ロビンフッドは取引を停止しない方針を示した。SECの元委員で同社の最高法務・コンプライアンス責任者を務めるDan Gallagher(ダン・ギャラガー)氏は、Xで「弁護士を寄こせば、われわれが説明する」と反論した。
Vlad Tenev(ブラッド・テネフ)CEOもギャラガー氏の投稿を引用し、「われわれは株式トークンを支持している」と表明した。ロビンフッド側は、AMCの要求を受けてもサービスを継続する姿勢を崩していない。
アロンCEOは、ロビンフッドがAMCの関与や承認を得ずに、同社株を模した金融商品を提供していると批判した。トークンが米国の証券法に基づいて登録されていない点も問題視している。
同CEOは、ロビンフッドが自主的に取引を停止しなければ、証券法に詳しい外部弁護士に法的措置を検討させると警告した。米証券取引委員会(SEC)にも懸念を伝えるとしている。
一方、ロビンフッドの公式説明では、株式トークンをジャージー島法人のRobinhood Assets (Jersey) Limitedが発行する「トークン化された債務証券」と位置づけている。
同商品はAMC株そのものではなく、AMC株の値動きを反映する金融商品である。購入者はAMCの株主にはならず、AMCに対して株主としての権利を主張することもできない。
また、株式トークンは米国の証券法に基づく登録を受けておらず、米国内や米国人への提供は禁止されている。ロビンフッドの米国向けアプリでも取り扱われていないという。
Decryptが取材した法律家は、商品が米国外で提供されているため、AMCが米証券法を根拠に取引停止を求めるのは容易ではないとの見方を示した。ただし、AMCの名称やロゴの使い方が、同社公認の商品だと購入者に誤解させる場合は、商標をめぐる争いに発展する可能性があるという。
現時点でAMCは訴訟を起こしておらず、SECによる調査も発表されていない。ロビンフッドは取引を続ける方針で、今後はAMCが実際に法的措置を取るかが焦点となる。
|文:平木 昌宏
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