ポイント
・8.1万台でピークアウト、7.7万台へ反落
・ウォーシュ講演は思った以上にタカ派
・米イラン攻撃再開でリスクオフ
・テクニカル的には健全な調整の範囲内
週末のBTC市場
週末のBTC市場は反落した。

金曜日に8.1万ドル(約1,295万円)半ばでピークアウトすると、土曜日未明に一時7.7万ドル(約1,235万円)割れまで失速した。日曜日から今朝未明にかけて一時7.9万ドル(約1,265万円)台まで値を戻したが、足元では7.7万ドル台に再び失速している。
BTCは7万ドル近辺の200日移動平均線を上抜けると、先週火曜日にパキスタンのムニール陸軍参謀長のテヘラン訪問を機に和平期待が高まり、8.1万ドルまで値を伸ばした。しかし5月の戻り高値8.2万ドルを前に上値が重くなると、強めのPCEコアデフレーターを受けて一時7.7万ドル台まで値を落とした。その後、NVIDIAの好決算を受けて8万ドル台に戻した。
金曜日には、FOXが米政府のBTC追加購入検討を報じたとのうわさが広がり、8.1万ドル台半ばまで値を伸ばして戻り高値を更新した。だが、前週の大統領発言の焼き直しにすぎず、FOX公式の報道も存在しなかったことが判明すると、8万ドル近辺まで失速。17時のDeribitオプションカットに向けて、8万ドルのストライク近辺での取引が続いた。
注目されたウォーシュ議長講演は想定以上にタカ派で、9月利上げの織り込みが3割台から6割台へ急上昇するなか、BTCは一時7.7万ドル割れまで失速した。金曜日のETFフローも、10営業日ぶりにマイナスへ転じた。
一方、イランのペゼシュキアン大統領がホルムズ海峡開放に向けてまず米軍の行動を求めるなど、交渉再開期待が高まった。米国がベネズエラ産原油の過半数権益を取得したとの観測から原油安期待も広がり、BTCは底堅く推移した。日曜日にはストラテジーのセイラー会長が「We’re Back」と購入再開を示唆し、今朝未明にかけて7.9万ドルを回復した。しかし今朝方、米軍がイランの機雷発射準備を理由に発射施設を攻撃し、イランもヨルダンの米軍基地を報復攻撃。CME先物が開き原油が上昇すると、リスクオフでBTCは7.7万ドル台へ値を落としている。
本日のBTC市場
本日のBTC市場は、引き続き底堅い展開を予想する。
BTCは、5月の戻り高値かつ史上最高値からの下落の38.2%戻しが重なる8.2万ドルで跳ね返され反落した。先週末のテクニカルレポートでは「上昇継続か、一旦調整か、今は五分五分」と申し上げたが、この反落で80台と極端な買われ過ぎだったRSIも70を割り込み、ダイバージェンスも解消した。テクニカル的には健全な調整と言えそうだ。
金曜日のレポートでは、ウォーシュ議長講演のポイントを①インフレ②雇用③長期金利の引き締め効果④AIの影響と挙げた。結果は、①直近の改善は認めるが基調は見ていない、②失業率4.1%で安定し完全雇用に近い、③引き締め効果は認めない、④以前はインフレ抑制要因としていたが今回は明確な方向性を示さなかった。タスクフォースについては、フォワードガイダンスは緊急時の措置であり現時点では不要、とした程度で深くは触れなかった。全体として非常にタカ派で、議会証言と整合的だった。
最大の焦点であるFRBメンバーと市場の信認という点では、メンバーの支持は得られた模様だ。直後にCNBCへ出演したグールズビー・シカゴ連銀総裁は、議長の分析に同意していた。市場も9月利上げ織り込みを6割まで引き上げた。一方で、タカ派発言でメンバーのガス抜きをしつつ、実際の行動は伴わないのではないか、との懐疑も残る。見方が分かれるなか、9月FOMCに向けて来月の雇用統計とCPIに注目が集まる。
米イラン間では再び攻撃の応酬が見られた。和平機運で80ドルを割れていた原油は85ドル台へ反発している。ただし、穏健派が進めた交渉を強硬派がちゃぶ台返しする構図に対し、米側も交渉より経済制裁へ戦略を移しており、市場の反応は限定的だ。テクニカルには原油は大きな三角持ち合いを形成しており、上下いずれかへのブレークが近づいている点は注意が必要だ。
まだ終わったとは判断できないし、不安材料も残るが、BTCは健全な調整の過程だと考える。
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※この記事は「楽天ウォレット」のデイリーレポートを転載したものです。
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