・米国債利回りの上昇を受けてビットコイン(BTC)が1.9%下落するなか、イーサリアム(ETH)は1.6%の下落にとどまり、2,400ドルを上回る水準を維持した。
・米国の現物イーサリアム上場投資信託(ETF)には9営業日連続で計約10億ドルが流入し、Bitmine Immersion Technologies(ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズ、以下ビットマイン)は3万2447ETHを追加購入した。
・イーサリアムのステーキング参入待ちETH量は1.28%増加した一方、予測市場では、トレーダーが依然として一段の価格下落を見込むポジションを維持している。
ETFへの資金流入とビットマインの買いが相場を下支え、ETHは2,400ドルを維持
長期国債利回りの上昇によってリスク資産全般が売りに押されるなか、ETHは火曜日も2,400ドルを上回る水準を維持した。
米30年債利回りが0.5%上昇して5.18%となり、米10年債利回りも0.5%上昇して4.65%となるなか、金は0.2%安の4,685ドル、BTCは1.9%安の7万8900ドルとなった。一方、ETHはCoinbase(コインベース)で1.6%安で取引を終え、下落率はBTCを下回った。

こうした相対的な底堅さの背景には、ETHを支える機関投資家の継続的な需要がある。
米国で取引されるイーサリアムETFには、8月12日から25日にかけて、計約10億ドルの資金が純流入した。

ファーサイドのデータによると、このうち7億590万ドルは、8月19日以降に流入額が1億ドルを超えた4営業日に集中している。
ETFへの資金流入額は、8月19日に1億8680万ドル、20日に2億1950万ドル、21日に1億8400万ドルとなった。
週末を挟んだ後も買いは続き、24日にさらに1億1560万ドル、25日には2580万ドルが流入した。
こうした持続的な需要が売り圧力の吸収に寄与し、ETHは8月初旬の水準を大きく上回って推移している。
企業が財務資産として購入するETHの量が数カ月ぶりの高水準に達していることも、さらなる追い風となっている。ビットマインは8月17日から23日までに、3万2447ETHを約8100万ドルで購入した。同社の8月24日の発表によると、これは7月初旬以降で最大のETH購入となる。
ビットマインの8月23日時点のETH保有量は584万7611ETHに達し、同社が基準価格として示した1ETH=2,440ドルで換算すると、約142億7000万ドルとなる。
この保有量はイーサリアムの流通供給量の約4.8%に相当し、同社はETH総供給量の5%を保有するという目標に近づいている。
約30%の上昇局面で発表された今回の購入は、ETHを保有する上場企業として最大規模のビットマインが、足元の高値圏でも保有量を増やす意思を維持していることを示している。
ニューヨーク証券取引所(NYSE:BMNR)に上場する同社の株価は火曜日に2.8%上昇して24.82ドルとなり、時価総額は約149億7000万ドルに達した。
需要の拡大は、ETFへの資金流入や企業による購入だけにとどまらない。

Validator Queue(バリデーター・キュー)のデータによると、参入待ちのETH量は8月17日の218万6844ETHから26日の221万4739ETHへと、約1.28%増加した。
上昇相場のなかで参入待ちETHが増えていることは、現在の価格水準や良好なマクロ環境のもとでも、ETHを売却するよりステーキングに回そうとする動きが強まっている可能性を示している。
ETH上昇で予測市場の弱気シナリオに逆風──KalshiとPolymarket
8月のETH上昇により、現物市場での値動きと、予測市場に依然として残る弱気の賭けとの間に大きな隔たりが生じている。
ETHは6月2日以降、2,000ドルを下回る水準でもみ合った後、1,860ドル近辺で8月を迎えた。
当初は金利上昇への警戒感が市場心理の重しとなっていたが、米雇用統計が予想を下回り、インフレ指標も鈍化したことで見通しが変化した。
さらに、米財務省は8月19日、長期国債を対象とする流動性支援目的の買い戻しについて、9月9日から1回当たりの上限を20億ドルから少なくとも40億ドルへ引き上げると発表した。
その後、ETHは1週間で約30%上昇した。大幅な価格下落を見込んでポジションを取っていたトレーダーにとって、状況はますます不利になっている。
ポリマーケットの「2026年にETHはいくらに到達するか」という予測市場では、約1268万ドルの取引高が記録されている。1,750ドル以下の水準を対象とした各契約では、累計取引高が計708万2808ドルに達している。

8月26日水曜日を迎える時点で、市場はETHが3,000ドルに到達する確率を53%と見積もっており、この確率は3ポイント上昇している。
2,750ドルに到達する確率は23ポイント上昇し、73%となった。その一方で、市場には依然として相当規模の弱気ポジションが残っている。
同市場では、ETHが2,250ドルまで下落する確率は77%とされているが、最近の取引高は記録されていない。
下値については、2,000ドルまで下落する確率が55%となっている一方、1,750ドルに到達する確率は21%まで低下している。
1,750ドルの契約では約40万2461ドルの取引高が発生している。より活発に取引されている1,500ドルの契約では、約248万ドルの取引高があるにもかかわらず、ETHがその水準に到達する確率はわずか13%とされている。
カルシの市場でも、大きく偏った弱気の賭けが取り残されている。同社の「8月にETHはいくらまで下落するか」という市場では、約11万2340ドルの取引高があり、下値のコンセンサスは依然として1,750ドルとなっている。1,500ドルと1,000ドルを対象とする契約の予想確率は、現在いずれも1%未満である。

現物市場の需要は、ETFへの資金流入、企業による買い増し、ステーキング参加の増加によって引き続き支えられている。一方、予測市場には、価格下落を見込むポジションが依然として相当規模で残っている。
米国債利回りが上昇するなかでも、ETHが2,400ドルを上回る水準を維持していることで、8月半ばからの回復基調は崩れていない。弱気派にとっては、ETHがこの水準を上回る期間が長くなるほど、さらなる価格下落を見込む賭けを正当化することが難しくなる。


