Grayscale(グレイスケール)のリサーチ責任者Zach Pandl(ザック・パンドル)氏は8月17日公開のレポートで、「波乱含みの2026年の年明けを経て、この夏はビットコイン(BTC)価格の動きがかなり穏やかになった」と指摘した。
BTC現物の取引高と実現ボラティリティはサイクル安値まで低下し、相場は一種の「ヘッドライン疲れ」を示しているという。1カ月物のインプライド・ボラティリティも32%と年初来平均の42%を下回る水準に沈んだ。
もっとも「BTC市場の静穏期が長く続くことはめったにない」と同氏は述べる。取引高と変動率が同程度に低迷したのは2023年夏で、この局面が結果的に前回の弱気相場の終わりを告げるものになった。
当時もBTCは夏の大半をレンジ内で推移し、触媒を待つ展開だった。前サイクルからの売り圧力が薄れると相場はレンジを上抜け、10月初旬から年末にかけて約50%上昇している。
今回の触媒は異なるものの、低調な取引、圧縮されたボラティリティ、そしてマクロ政策と規制の進展をめぐる明確化を待つ市場という構図は重なる。
ただしパンドル氏は「市場全体の動きの乏しさは、それ自体が強気シグナルとは限らない」と留保したうえで、今回の停滞は売り圧力の枯渇を示唆し、過去の市場環境と比べてBTCは売られ過ぎの状態にある可能性があるとの見方を示した。
業界にとっては、ボラティリティ低下が取引所やマーケットメイカーの収益を圧迫する一方、方向感が出れば資金が一気に戻り得ることを意味する。
|文・編集:井上 俊彦
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