Bybit、2200億円流出事件で北朝鮮ハッカー集団を提訴

暗号資産(仮想通貨)取引所大手のBybit(バイビット)は、2025年2月に発生した巨額のサイバー攻撃を巡り、北朝鮮や同国の偵察総局(RGB)、ハッカー集団「ラザルス・グループ」などを相手取り、米国コロンビア特別区の地方裁判所に民事訴訟を起こしたと8月7日、発表した。

併せて、盗まれた資金を保持・移動させている不特定の第三者に対する「仮差押命令」も獲得しており、流出資産の移転や処分を禁止する措置を講じた。

事件の背景にある2025年2月21日のハッキングでは、被害額が約15億ドル(約2200億円※当時)相当(約40万1000ETH)に上り、業界史上最大規模となった。

チェイナリシスの分析レポートによると、攻撃のきっかけはウォレット管理者へのフィッシング(詐欺)攻撃だったとされる。犯行グループは資金を多数のアドレスを経由させて細かく分散させ、分散型取引所(DEX)やクロスチェーンブリッジ(異なるブロックチェーン間を繋ぐ仕組み)を使って資金洗浄を図った。

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また、盗んだ資産をすぐには動かさず一時的に寝かせて監視の目をそらす手法は、北朝鮮系ハッカーによる「典型的な遅延戦術」と分析されている。

Bybitの公式発表によると、同社はこれまでに約4840万ドルの盗難資産を自力で直接回収したほか、28社以上の取引所やカストディアン(資産管理業者)と連携して3050万ドル相当超の資産を凍結した。

今回の提訴にあたり、Bybitの共同創業者兼CEOであるBen Zhou氏は自身のXで、被害発生の直後から多角的な追跡・回収作業を進めてきたと述べた。

同氏は一連の攻撃を「暗号資産業界全体に対する深刻な脅威」と位置付け、今後もブロックチェーン分析企業や警察・捜査機関と連携しながら、流出資金の追跡と法的手段による回収を徹底して続けていく考えを示している。

|文:栃山直樹
|画像:Shutterstock

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