「約100万ウォレットで損失」米上院議員、SECにトランプ氏のミームコイン調査要請【価格分析】

・エリザベス・ウォーレン上院議員とリチャード・ブルーメンソール上院議員は、約100万件のウォレットで計38億1000万ドルの損失が生じたとの報道を受け、トランプ米大統領のミームコイン「$TRUMP」を調査するよう米証券取引委員会(SEC)に要請した。
・両議員は、同トークンが長期にわたる「ソフト・ラグプル」の特徴を示していた可能性を指摘する一方、トランプ氏が同コインに関連して約6億3600万ドルを得たと主張した。
・今回の要請は、デジタル資産に対する米連邦政府の監督体制を再定義する可能性がある「CLARITY法案」を巡り、議会審議が重要な局面を迎える中で行われた。

米上院議員、投資家の38億ドル損失を受けトランプ氏のミームコイン調査をSEC委員長に要請

民主党の有力上院議員2人は8月3日、トランプ米大統領のミームコイン「$TRUMP」を調査するよう米証券取引委員会(SEC)に求める書簡に署名した。両議員は、同プロジェクトが約100万人の投資家に損失を負わせる一方、不正な利益獲得を助長した可能性があると主張した。

上院銀行委員会の民主党筆頭委員を務めるエリザベス・ウォーレン上院議員とリチャード・ブルーメンソール上院議員は、SECのポール・アトキンス委員長に宛てた書簡で、同トークンの発行、取引活動、その後の価格暴落について正式に調査するよう要請した。

「われわれは、トランプ大統領のミームコイン『$TRUMP』について、貴委員会が調査を実施するよう要請する。同コインの価格暴落を受けた最近の報道によると、公開時から6月末までに約100万人の投資家が同コインで38億1000万ドルを超える損失を被った一方、トランプ氏本人は6億3600万ドルを得たとされる」—ウォーレン、ブルーメンソール両上院議員からポール・アトキンスSEC委員長への書簡、2026年8月3日

両議員は最近の報道をもとに、2025年1月のトークン公開から2026年6月末までに、約98万9000件のウォレットで合計38億1000万ドルの損失が生じたとの推計を示した。また、トランプ氏が同コインに関連して6億3600万ドルを得たとの報道を引用した。

両議員は「この著しい非対称性は、大統領がどのように暗号資産による財産を築いたのかという疑問を生じさせる」と記した。その上で、同トークンが市場の公正性と投資家保護を脅かす「詐欺的な利益獲得の仕組み」を可能にしたかどうかを、SECが判断すべきだと主張した。

Formal letterhead from the United States Senate, dated August 3, 2026, addressed to The Honorable Paul Atkins, requesting an investigation of President Trump’s memecoin.
<ウォーレン、ブルーメンソール両上院議員からポール・アトキンスSEC委員長への書簡、2026年8月3日|banking.senate.gov>

書簡は、トランプ氏が2025年1月17日のトークン公開直後、ソーシャルメディアを通じて同トークンを公に宣伝し、支持者に購入を促した点を強調した。

両議員によると、同プロジェクトの手数料体系では、投資家がトークンを取引するたびにトランプ氏側に手数料収入が入り続けるため、価格が上昇しても暴落しても、トランプ氏側は利益を得られる仕組みになっていたという。

両議員はさらに、一般の投資家がトークンの公開発表に反応する前に、一部の初期トレーダーが巨額の利益を得たとの報道にも言及した。ある所有者不明のウォレットは、わずか2日間で最大1億900万ドルの利益を確定したとされ、一部の参加者がトークン公開に関する事前情報から利益を得た可能性があるとの臆測を招いた。

報道によると、$TRUMPトークンは過去最高値から約98%下落し、数十万件のウォレットで多額の損失が生じている。$TRUMPは8月4日時点で約1.45ドルで推移し、時価総額は約3億6200万ドルだった。

議員ら、トランプ氏のトークンを「ソフト・ラグプル」になぞらえる 暗号資産市場構造を巡る議論が激化

ウォーレン氏とブルーメンソール氏は調査を要請するだけでなく、同プロジェクトがいわゆる「ソフト・ラグプル」に類似しているかどうかをSECが判断すべきだと主張した。

ソフト・ラグプルとは、プロジェクトを完全に放棄するのではなく、トークンの宣伝を続けながら、内部関係者が徐々に価値を引き出していく行為を指す。

開発者が投資家から資金を集めた後に突然姿を消す従来型のラグプルとは異なり、ソフト・ラグプルでは、コミュニティーとの関係を維持しながら、創設者や初期参加者が保有分を段階的に収益化する場合があると、両議員は説明した。

両議員は、ラグプルの疑いがある事案を巡る過去のSECによる法執行措置にも言及した。また、ミームコインの発行者がトークン価格を人為的につり上げた後、内部関係者が個人投資家の買い需要に乗じて売却し、後から参入した投資家に多額の損失を負わせる可能性があるとする、ニューヨーク州の金融規制当局の警告も引用した。

両議員は、政治的な影響力を理由に、いかなる市場参加者も規制当局の監視を免れるべきではないと強調した。

「不正行為の疑いがある者が強力な政治的つながりを持っていたとしても、SECは法を執行する意思を持たなければならない」と書簡は記している。

Chart showing probability of Clarity Act (H.R.3633) being signed into law in 2026 and it currently sits at 23% with a recent decline of 42%. The blue line tracks a fluctuating, downward trend from March to August on a dark UI background.
<ポリマーケット、CLARITY法案の2026年中の成立確率を23%と予想>

ポリマーケットのトレーダーは2026年8月4日時点で、CLARITY法案が2026年中に成立する確率を23%と見積もった。

デジタル資産に関するより明確な規制枠組みを整備する「デジタル資産市場明確化法案(CLARITY法案)」を巡る審議は、今週も続いている。同法案は、SECと米商品先物取引委員会(CFTC)の監督責任を再定義することを目指している。

ポリマーケットのリアルタイムデータによると、CLARITY法案が2026年中に成立する確率は、5月に記録した約74%をピークに低下し、8月4日には23%となった。

SECは現在までに、トランプ氏のミームコインに対する調査を発表していない。一方、両議員は、議会が米国のデジタル資産規制のより広範な改革を検討する中、既存の証券法や詐欺防止規定への違反があったかどうかを明らかにすることが引き続き不可欠だと主張した。

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