ビットコインが8万ドルを突破した3つの理由【価格分析】

●ビットコイン(BTC)は、7日間安値の約7万5500ドルから8%反発し、8万1800ドルに達した。
●原油価格の下落でインフレ懸念が和らぎ、8万ドル超へのショートスクイーズを後押しした。
●CLARITY法案が頓挫する一方、規制当局が暗号資産関連施策を進めたことで、ビットコインETFへの資金流入が再開した。

米中央軍が原油供給網の圧力緩和を示唆、BTCは8万1800ドルに上昇

9月20日(日)未明、原油市場の供給網を巡る圧力が和らぎ、リスク資産全般が上方に再評価されるなか、BTC価格は8万1800ドルに達した。これは、米連邦準備制度理事会(FRB)が水曜日に利上げを決定した後につけた7日間安値の約7万5500ドルから8%反発した水準だ。

土曜夜のビデオ演説で、米中央軍のブラッド・クーパー司令官は「この2週間の原油、貨物、液化天然ガスの輸送量は、過去6カ月のどの時点よりも多い」と述べた。クーパー氏によると、米国、ペルシャ湾岸の同盟国、保険会社、海運会社は、海峡の通航量拡大に取り組んでいる。

BTCが8万ドルを突破した3つの理由

原油市場が落ち着き、FRB利上げ後の警戒感が後退――8万ドル突破のショートスクイーズを誘発

目先のインフレ圧力が和らぐなか、原油価格は直近の高値から下落した。ブレント原油は9月11日に111ドル近辺で取引された後、104ドル前後まで下げた。

サウジアラビアの代替輸送ルートがオマーン経由で利用可能になったとの報道や、ホルムズ海峡の復旧作業の進展を受け、供給懸念の一部が後退したためだ。WTI原油も9月11日に106ドルをつけた後、金曜日までに100ドルを割り込んだ。

Crude oil futures chart showing price 96.08, down 1.15 (-1.18%), intraday timeline to 3:00 PM EDT on Sep 18, with green up and red down areas.
<2026年9月18日(金)時点の原油価格|Yahoo Finance

週の前半には、インフレ懸念と2023年以来初となるFRBの利上げを受け、BTCや原油価格の影響を受けやすいリスク資産が売られていた。

FRBは政策金利を25ベーシスポイント引き上げ、3.75~4.00%とした。また、当局の政策見通しは一段の金融引き締め圧力を示した。

原油価格と長期債利回りが低下すると、暗号資産の一段安を見込んでいたショート勢は圧迫され、買い戻しを迫られた。

BTCは9月16日、FOMCによる利上げとFRBのタカ派姿勢が長期化するとのシグナルにもかかわらず、7万5500ドルのサポート水準を維持した。

その後、週末にBTCが反発して心理的節目の8万ドルを突破すると、FRBの決定前後や一段の金融引き締め観測を背景に積み上がっていたショートポジションが急速に巻き戻された。

Bitcoin and altcoin liquidation heatmap: large red BTC block with .48M, green/Others and ETH blocks show liquidations by exchange.
<2026年9月20日時点の暗号資産市場の清算状況|Coinglass

暗号資産市場では、24時間で2億100万ドルの強制清算が発生した。ロングの清算額は8823万ドル、ショートは1億1290万ドルに達した。Coinglassによると、BTCの清算額は合計約4448万ドルだった。このうちショートが3340万ドル、ロングが1008万ドルを占めた。

このショートスクイーズにより、BTCは8万ドル台を回復し、直近のレジスタンスである8万2000ドルに迫った。

CLARITY法案とFOMCを巡る警戒後、ビットコインETFは週間終盤を計5億9250万ドルの資金流入で終える

米国の現物ビットコインETFは、上院での採決とFOMCの決定を挟んで大幅な資金流出を記録した。二つの重要イベントがあった火曜日と水曜日の純流出額は、合計約7億4600万ドルに達した。

週の終盤には需要が戻り、ETFには木曜日に約1億5900万ドル、9月18日(金)に4億3300万ドルが流入した。

Table of Bitcoin ETF flows (US$m) by date and fund, with fees, totals, and red loss values across columns and logos in header.
<2026年9月18日(金)終了時点のビットコインETF資金フロー|Farside Investors>

2営業日連続の純流入は9月3日以来初めてだった。

金曜日の約4億3300万ドルの流入は、BTCが月間高値の8万2283ドルに向かうなかで7億3000万ドルが流入した9月3日以来、最大の1日当たり流入額となった。

こうしたETF需要の回復も買い圧力となり、BTCは金曜日に6%上昇して8万ドル台を回復した。

CLARITY法案の審議入りが阻まれた後、規制面の「プランB」が浮上

9月15日、上院ではCLARITY法案の審議入りに向けた動議に対するクローチャー採決が行われ、賛成49、反対50で成立しなかった。採決後、同法案が2026年中に成立する確率は31%から7%に低下した。議会による暗号資産法制の先行き不透明感を受け、BTCは同日に3%下落し、一時7万4900ドルまで値を下げた。

Polymarket chart of the Clarity Act (H.R.3633) likelihood to become law in 2026, blue line showing probability over months (about 7% currently).
<予測市場:CLARITY法案が成立する確率は7%に低下|Polymarket.com>

しかし週が進むにつれ、立法手続きの遅れをよそに、米国の主要規制当局は複数の暗号資産関連施策を大きく前進させた。

9月17日(木)、米証券取引委員会(SEC)は、一定のトークン化NMS株式を扱うTokenized Securities Venue(TSV)について、証券取引所法上の「取引所」の定義などから5年間、条件付きで免除する措置を導入した。

これにより、株主としての権利を完全に維持したまま、米国株をオンチェーンで取引・上場できる可能性がある。

米商品先物取引委員会(CFTC)も「暗号資産取引・市場規制」を審査のためホワイトハウスに送付した。FTCの「Regulation Crypto Asset Transactions and Regulation Crypto Asset Markets」は行政管理予算局(OMB)傘下のOIRAに送付され、規制策定に向けた事前審査(Prerule)の段階に入った。

Fear & Greed Index gauge showing current Green 71 and historical values (Yesterday 71, Last week 61, Last month 72) for crypto market sentiment analysis (informative infographic)
<2026年9月20日時点のBTC恐怖・強欲指数|Alternative.me

トレーダーはこれらの動きを、週前半のCLARITY法案否決で生じたBTCへの悲観を和らげるとともに、SECとCFTCを通じた明確な暗号資産規制への道筋がなお残っている証拠と受け止めた。

恐怖・強欲指数からは、BTCを巡る市場心理が週を通じて改善したことがうかがえる。9月20日(日)には前週の61から71に上昇し、「強欲」の領域に入った。

BTC価格予測:ボリンジャーバンドが示す8万2000ドルのレジスタンス

BTCの日足チャートは、7万5500ドル付近からボリンジャーバンド上限に向けて急反発している。BTCは現在8万1271ドル前後で取引され、20日移動平均に当たる中央線は7万8455ドルに位置する。

ボリンジャーバンド上限は8万2108ドル、下限は7万4801ドルに位置する。

ボリンジャーバンドは、BTCが直近でもみ合うなかで収縮していた。現在は価格変動が大きくなるにつれて再び拡大し始めており、上限も8万2108ドルに向けて切り上がっている。

BTC/USD price chart with green/red candlesticks, blue volume bars at bottom, and multiple indicators (blue moving average line, green curve, red line) showing price around k in early September 2026.
<BTCのボリンジャーバンドとパラボリックSAR|TradingView>

中央線も緩やかに上昇しており、短期的な基調が引き続き堅調であることを示している。一方、下限は7万4801ドル前後に位置する。

バンドの拡大は、数日間の横ばい推移を経て、BTCが明確な方向性を伴う局面に入りつつあることを示唆する。

ただし、BTCは8万2070ドルに位置するボリンジャーバンド上限のすぐ下にとどまっている。

大きな懸念材料は週末の薄い出来高だ。BTCは金曜日と土曜日に何度も上値を試したものの、8万2000ドルを明確に突破できなかった。Coinbaseでの取引量は金曜日が2,130 BTC、土曜日が1,100 BTCにとどまり、9月3日にBTCが8万2000ドルのレジスタンスを突破した際を明らかに下回った。

BTCが前回8万2000ドルを突破した9月3日には、より活発な取引が見られ、取引量は2,500 BTCに達していた。

したがって、月曜日に取引が本格化した後、ボリンジャーバンド上限を明確かつ持続的に上抜けるには、出来高の一段の増加による裏付けが必要になりそうだ。このレジスタンスを突破すれば、次の上値目標は8万3000~8万5000ドルになる可能性がある。

反対に、BTCが上抜けに失敗した場合、最初の短期サポートは中央線が位置する7万8455ドル付近となる。この水準を割り込めば、7万5318ドルのパラボリックSARまで下落余地が広がる可能性がある。

もっとも、パラボリックSARは現在のBTC価格を下回っており、短期トレンドのシグナルは強気を維持している。BTCが短期サポートを維持し、月曜日に方向感を一段と強められるかが注目される。

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