・ABN AMRO、デカバンク(DekaBank)、ナティクシスCIB(Natixis CIB)は、欧州の金融機関7社と共同で、規制対象のトークン化資産市場向けブロックチェーン「RL1」を立ち上げた。
・RL1はすでに総額7億ユーロを超える機関向け取引を支えており、欧州のデジタル資産インフラにおける分断の解消を目指している。
・Visaは、会計年度第3四半期の純売上高が前年同期比14%増加したと発表した。同社はこれに先立ち、Open USDやトークン化預金、AI主導型の商取引に関する新施策を明らかにしている。
ABN AMRO、デカバンク、ナティクシスCIB、欧州のトークン化資産市場向け共同運営型ブロックチェーン「RL1」を始動
欧州の金融機関10社で構成するコンソーシアムは、欧州全域の規制対象金融市場と、金融機関による資産のトークン化を支援するため、共同所有型のブロックチェーンネットワーク「Regulated Layer One(RL1)」を正式に立ち上げた。
同プロジェクトは、ルクセンブルクで欧州協同組合法人(European Cooperative Society、SCE)として法人化された後、火曜日に運用を開始した。
創設メンバーには、ABN AMRO、セカバンク(Cecabank)、チャータード・インベストメント(Chartered Investment)、クレディ・ミュチュエル・アリアンス・フェデラル(Crédit Mutuel Alliance Fédérale)、デカバンク、DZバンク(DZ BANK)、LBBW、ナティクシスCIB、SCベンチャーズ(SC Ventures)、セチュリオン(Seturion)が名を連ねている。
特定の民間企業が管理するブロックチェーンプラットフォームとは異なり、RL1は協同組合型のガバナンス構造を採用している。すべての加盟機関は、ネットワーク開発、技術更新、戦略方針について同等の議決権を持つ。
同ネットワークは、ドイツのフィンテック企業Secure Worldwide Interbank Asset Transfer(SWIAT)がもともと開発したインフラを基盤としている。SWIATは今回、新たに設立された協同組合へブロックチェーンの所有権を移管した。
SWIATによると、同プラットフォームは協同組合型モデルへ移行する前の3年間の本番運用で、総額7億ユーロ(8億800万ドル)を超える50件以上の機関向け取引を処理した。
RL1は、トークン化債券、デジタルキャッシュ、担保管理、ブロックチェーンを利用した決済など、規制対象となる機関向け金融業務に特化して設計されている。
参加銀行は、共有型の許可制台帳を運用することで、金融機関がそれぞれ個別の分散型台帳インフラを構築する動きによって生じる業務上の分断を減らすことを目指している。
公式発表によると、SWIATの元マネージングディレクターであるヘニング・フォルベール(Henning Vollbehr)氏が、RL1を運営する欧州協同組合法人のマネージングディレクターに就任した。
また、ドイツの政府系開発銀行であるKfWとL-Bankが、引き続き同プロジェクトを支援することも確認された。今後の加盟を巡り、ナットウエスト(NatWest)を含む追加の金融機関との協議も進められている。
今回の立ち上げは、大手銀行が独自ネットワークよりも共同利用型のブロックチェーンインフラを選ぶ傾向を強めるなか、欧州の規制対象トークン化分野で機運が高まっていることを示している。
「CoinShares Bitcoin Mining UCITS ETF」は7月16日に設定され、7月21日にティッカー「MINE」でドイツ取引所Xetraで取引を開始した。CoinSharesは同商品を、欧州初のビットコイン(BTC)マイニング専業UCITS ETFと位置付けている。
アイルランド籍のファンドを通じて、欧州の投資家に、規制された金融商品の枠組みのもとで上場ビットコインマイニング企業へ投資する機会を提供する。
Visa、ステーブルコイン基盤の拡充を発表
決済大手Visaは、ステーブルコイン関連のインフラやサービスを拡充している。
同社は増収を続ける一方、ブロックチェーンを利用した決済インフラへの取り組みも進めている。
Visaの第3四半期の純売上高は116億ドルとなり、前年同期比で14%増加した。決済取扱高、クロスボーダー取引、取引処理件数が引き続き増加したことが、売上高の伸びを支えた。
Visaの経営陣は、ブロックチェーンインフラ、発行、ウォレット、決済技術、アプリケーション開発など、ステーブルコインのエコシステムを構成する複数の領域に投資していることを明らかにした。
「AIは商取引のフロントエンドを変革し、ステーブルコインはバックエンドを再構築している」と、Visaの最高製品・戦略責任者であるジャック・フォレステル氏は6月10日に語った。
さらに、AIエージェントが自律的に取引を行う「エージェント型コマース」によって、同社が事業を展開できる市場規模が将来的に大きく広がる可能性があるとした。
Visaは同四半期中、世界規模の資金移動と機関向け決済の円滑化を目的に、ステーブルコイン「Open USD(OUSD)」の発行を計画するOpen Standardコンソーシアムに参加した。
同社はまた、「Visa Stablecoin Platform」の提供開始について説明した。同プラットフォームは、金融機関や決済パートナーが、ステーブルコインの発行、償還、保管、移転を行えるようにする。
同プラットフォームは、オンチェーンのWallet-as-a-Service基盤を提供するほか、銀行口座との接続を通じてOpen USD(OUSD)の発行、償還、保管、移転を支援する。まずはOUSDに対応する。
Visaは、銀行が従来の預金をプログラム可能なデジタルマネーへ転換するための技術基盤を構築する方針も示した。また、コアバンキング基盤「Pismo」を通じ、金融機関の既存システムからの段階的な移行を支援するとしている。
またVisaは、金融機関での採用拡大に応じて、第三者のトークン化預金プロバイダーにも対応できる柔軟性を確保するとしている。
経営陣は、人工知能についても長期的な戦略上の重点分野の一つに位置付けた。AIとステーブルコインは、決済エコシステムの異なる領域を補完的に担うとの考えを示している。


