ビットコイン需要は回復している──オンチェーンデータが示す市場の変化【エックスウィン】

● CryptoQuantによると、ビットコインは57,700ドルの安値から約11%反発し、7月特有の季節性や需要回復を背景に短期的な上昇余地があると分析されている。
● 総需要は2022年以来最大の縮小局面から改善し、米国投資家の需要も回復傾向にある。一方で、市場全体の強さを示すBull Score Indexは20と依然として弱気圏にある。
● エックスウィンでは、現在は「弱気相場の反発」と「新たな強気相場の始まり」の分岐点に位置していると考えており、今後は需要回復の持続性が最大の焦点になると見ている。

ビットコインは先週、一時57,700ドルまで下落した後、約11%反発し、64,000ドル近辺まで回復しました。短期間で大きく戻したことから、「底打ちしたのではないか」と期待する声も増えています。

CryptoQuantが最新のWeekly Reportで注目したのは、単なる価格の反発ではなく、その背景にある市場構造の変化です。

まず興味深いのは、7月という季節性です。

Bar chart of Bitcoin monthly returns by year (2016–2026) with each year color-coded for comparison.
ビットコイン:月別騰落率(%)

過去10年間を見ると、7月はビットコインが比較的上昇しやすい月となっています。特に弱気相場ではその傾向が顕著で、2018年には約20%、2022年には約17%上昇しました。相場全体が弱い局面でも、7月だけは投資家心理が改善しやすいという特徴があります。

もちろん、季節性だけで相場は決まりません。しかし、統計的に繰り返し現れてきた傾向である以上、一つの重要な参考材料になることは間違いありません。

今回、より重要なのは需要の回復です。

CryptoQuantでは、現物市場と先物市場を合わせた「総需要」を継続的に分析しています。

Bitcoin demand and price chart showing futures demand, spot demand, and total demand over time with price on the left axis and demand on the right axis (Jan–Jun).
ビットコイン:現物市場と無期限先物市場の需要増加(30日間累計・BTC数量ベース)

6月初旬、この総需要は約65万BTC減少し、2022年以来で最大の需要縮小となりました。これは価格下落の大きな要因となりましたが、その後は改善が続き、現在では中立水準付近まで回復しています。

特に先物市場では投機的な需要が再び増え始め、現物市場でも売り圧力が5月中旬以来で最も弱い状態になっています。

さらに、米国投資家の動きにも変化が見られます。

Coinbase Premium Indexは、米国市場の現物需要を測る代表的な指標です。この指数は6月初旬に大きくマイナスへ落ち込みましたが、現在はマイナス幅が大きく縮小しています。

これは米国市場での売り圧力が弱まり、機関投資家を含めた買い需要が徐々に戻ってきている可能性を示しています。

また、オンチェーンデータからも、短期的な売りはかなり進んだことが分かります。

保有期間1~3か月の投資家の含み損率は一時▲24%まで悪化しました。CryptoQuantでは▲12%以下を短期的な割安圏としており、今回の下落では短期投資家による投げ売りがかなり進んだと考えています。

歴史的にも、このような局面では価格が反発しやすい傾向があります。

一方で、ここで注意すべき点もあります。また、独自の総合指標である「Bull Score Index」は現在20となっており、依然として弱気相場を示しています。

この指数は、オンチェーンデータ、需給、バリュエーション、市場構造などを総合的に評価する指標で、60を超えて初めて持続的な強気相場入りと判断されます。

つまり、価格が反発しているからといって、市場全体が強気相場へ転換したとはまだ言えません。

今回の上昇は、あくまで弱気相場の中で起きる「ベアマーケットラリー」である可能性も十分残されています。

エックスウィンでは、最も重要なのは「価格」ではなく、「需要」が改善し始めている点だと考えています。

ビットコイン市場はここ数年でETFや機関投資家の影響が大きくなり、価格を左右する要因も個人投資家中心の時代とは大きく変化しました。

現在は、短期投資家の売りが一巡し、米国需要も改善し始めています。しかし、本格的な強気相場へ移行するためには、ETFを含めた継続的な資金流入や機関投資家による長期資金の拡大が欠かせません。

市場は最悪期を脱しつつある一方で、まだ安心できる段階には達していない。市場が「反発局面」にあるのか、それとも「新たな上昇サイクル」の入り口なのかを見極めるうえで、今後も価格以上に需要の変化を注視することが重要になるとエックスウィンでは考えています。

■ショート動画

ビットコイン需要は回復している? オンチェーンデータが示す市場の変化
https://youtube.com/shorts/LCxEWF5M1ZY

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