AAVEに従来の金融モデルを適用すれば、今は割安=Grayscale

暗号資産(仮想通貨)投資会社Grayscale(グレースケール)のリサーチ部門Grayscale Research(グレースケール・リサーチ)は6月16日、レポート「Guide to Buying the Dip: Valuing Crypto with Cash Flows(押し目買いの指針:キャッシュフローによる暗号資産の評価)」を公表した

暗号資産市場は年初来の相場下落局面にあるが、報告書は株式などに使う伝統的な金融モデルをDeFi(分散型金融)トークンに適用し、割安な資産を見極める手法を示した。

注目されたのは大手レンディングプロトコルのAave(アーベ)のトークン「AAVE」だ。Grayscaleは、Aaveを「パーミッションレスなオンチェーン銀行」と位置づけ、財務の透明性が高く、バイバックなどを通じてプロトコルの収益がトークンの価値へ還元される仕組みが明確な点を評価した。

Aaveの収益は2023〜2025年に6.6倍超へ拡大し、利益率は約50%だという。

評価には割引キャッシュフロー(DCF)分析、利益マルチプル、銀行・フィンテック企業との比較が用いられた。

Aaveが2026年に約6000万ドル(96億円、1ドル=160円換算)の純利益を生むと見積もり、フィンテック並みの20〜25倍を当てはめると、時価総額は12億〜15億ドル(1920億〜2400億円)、トークン価格で約80〜100ドルが妥当値となり、現在値の約75ドルに対し割安とした。

さらに、規制の明確化がトークン化資産の普及を加速させる基本シナリオでは、1年以内に約175ドルへ上昇し得るとした。

一方でレポートは、プロトコルの収益だけではトークン価値は決まらず、保有者は株主のような法的請求権を持たない点に留意が必要と指摘する。

また、AaveはDAO(自律分散型組織)のため、クラリティ法案(CLARITY Act)が成立すれば「ネットワーク資産」、つまり「証券」ではなく、「商品(コモディティ)」としてに分類される可能性があるが、なお曖昧さが残るとした。

|文・編集:井上 俊彦
|画像:Shutterstock

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