・ビットコイン(BTC)は一時6万3,000ドルを突破し、週末のショートスクイーズによって弱気ポジション5億3,700万ドル相当が一掃された。
・Coinbaseの取引量は週末に大きく減少し、流動性が薄いなかでボラティリティが増幅された。
・取引所へのBTC預け入れは高止まりしており、反発後も売り圧力が残っていることを示している。
強気派が週末の薄い流動性に乗じ、数時間でショート約5億4,000万ドルが清算
BTCは月曜日、1時間で4.25%上昇し、一時6万3,000ドルを突破した。ETHも3.9%上昇し、暗号資産市場全体の時価総額は過去24時間で4%増の2兆2,600億ドルに押し上げられた。
この値動きは週末の流動性が薄い時間帯に発生し、ショートスクイーズを引き起こした。その結果、ショートポジション5億3,780万ドルが清算された一方、ロングの清算額は1億2,660万ドルにとどまった。銘柄別ではBTCとETH関連の清算額が最も大きく、それぞれ2億400万ドル、1億400万ドルを占めた。
とりわけ、暗号資産全体の清算額6億6,400万ドルのうち半分以上が、中央ヨーロッパ時間で月曜午前0時までの4時間に集中した。主要なレジスタンス水準を突破した後、価格の勢いが急速に強まったことを示している。

材料面では、Strategyのマイケル・セイラー氏がXに「ドットをさらに加えるには良いタイミングだ」と投稿し、同社が保有する520億ドル相当のBTCに言及した。この投稿は、Strategyが4年ぶりとなるBTC売却を開示した数日後に行われたため、新たな買い増し発表が近いのではないかとの思惑を呼んだ。
「当社の企業戦略は、長期的に純ビットコイン保有量と1株あたりビットコインを増やしていくことだ。それ以外の噂は、あくまで噂にすぎない」─Strategy CEO、フォン・リー氏、2026年6月7日
市場の厚みを示すデータによると、週末の薄い流動性が、BTCの6万1,500ドルから6万3,800ドルへの急反発を増幅させたとみられる。Coinbaseの取引量は週末に9,200BTC、9,720BTCまで落ち込み、金曜日に取引された2万8,400BTCから大きく減少した。この減少は板が薄くなっていたことを反映しており、急激な価格変動が起きやすい環境を作った。
取引所へのBTC預け入れは高止まり、売り圧力リスクはなお残る
BTCが6万3,000ドルを回復したことで、先週の売り局面で約15%の損失を積み上げた後、7セッションぶりに日足でプラス引けとなる可能性が出てきた。ただし、反発にもかかわらず、重要な取引所フローデータは売り圧力リスクが依然として高いことを示している。
CryptoQuantのBTCに対する取引所ステーブルコイン比率は、およそ90日ぶりの高水準に上昇した。この指標は、潜在的な売り供給を示す代理指標である取引所保有のBTC残高と、利用可能な買い余力を示すステーブルコイン準備高の合計を比較するものだ。

この数値の高止まりは、取引所上のBTC供給がステーブルコインの流動性を引き続き上回っていることを意味する。つまり、売却圧力が強く、目先の買い余力が低下している可能性を示している。
注目すべきは、この比率が前回同じような水準に達したのが、米国とイランの衝突が始まってから1週間後の3月8日だった点だ。当時、原油価格は1バレル120ドルに迫る水準まで急騰し、金融市場全体でリスク回避姿勢が強まった。その後、BTCは下落したものの、続く10日間で約16%反発し、6万5,000ドルから7万5,000ドルまで上昇した。
取引所への預け入れが高止まりしていることは、今週を通じてBTCが回復を維持できるかどうかの見通しに影を落としている。この慎重な見方は、予測市場のポジショニングにも表れている。
BTC価格予想:予測市場は早期の反転上昇になお慎重
月曜日の報道時点でBTCは6万3,750ドルを上回って取引されていたものの、Kalshiのトレーダーはさらなる上昇に慎重な姿勢を崩していなかった。オッズが示す確率は、BTCが6万4,000ドルを上回って引ける可能性が47%、同日中に6万5,000ドルを回復する可能性が22%にとどまった。
最も確率が高かった契約は、BTCが6万3,500ドルを上回って引けるというもので、確率は57%だった。一方、より高い価格目標になるほどオッズは段階的に低下した。

テクニカル面では、BTCは週足で4週連続の下落を記録している。最大の下落は6月1日から6月7日の週に発生し、20億ドル超のデリバティブ清算が起きるなかで、BTCはおよそ14%下落した。

BTCは現在、6万664ドル付近にあるボリンジャーバンド下限のサポートを上回る水準で安定しようとしている。過去には、ボリンジャーバンド下限付近で大規模な清算に伴う大きなローソク足が出現した場合、目先の底形成を示すことが多かった。数週間にわたって高値を切り下げ、投げ売りを示すローソク足も徐々に小ぶりになっていた後で、強い清算の一掃が起きたことも、売り手の消耗という見方を後押ししている。
モメンタム指標も、下方向の圧力が和らぎつつあることを示している。週足MACDのヒストグラムは、5月の高値から大きく縮小しているものの、なおプラス圏にある。一方で、MACDラインとシグナルラインは収束を続けており、価格が目先の安値付近にとどまるなかでも、弱気モメンタムが鈍化していることを示している。
買い手が6万ドルから6万1,000ドルのサポート水準を維持できれば、BTCはボリンジャーバンドの中央線にあたる7万1,500ドル付近に向けて回復を試す可能性がある。ただし、ボリンジャーバンド下限を維持できなければ、2月の安値付近である5万6,000ドルに向けて、さらに深い調整にさらされることになる。



