暗号資産(仮想通貨)運用大手CoinShares(コインシェアーズ)が5月11日に公表した最新のレポートによると、先週の暗号資産ETP(上場取引型金融商品)からは10億7000万ドル(約1712億円、1ドル=160円換算)の資金が流出し、7週間ぶりの純流出となった。また、2026年に入って3番目に大きな週間の流出額で、1月下旬の2週に次ぐ規模となった。運用資産残高(AuM)も前週の1590億ドル(約25兆4400億円)から1570億ドル(約25兆1200億円)へ減少した。
CoinSharesのリサーチ責任者、James Butterfill(ジェームズ・バターフィル)氏は、イラン情勢を巡る地政学リスクが嫌気されたことが主因と分析している。なおアメリカのビットコイン(BTC)現物ETF(上場投資信託)に限ると、先週の純流出額は6億4900万ドル(約1038億4000万円)となり、1月以来最大規模の流出だった。
銘柄別では、ビットコインが9億8200万ドル(約1571億2000万円)の流出で年初来の累計流出はを39億ドル(約6240億円)になった。イーサリアム(ETH)も2億4900万ドル(約398億4000万円)が流出し、1月30日以来最大となった。一方、エックス・アール・ピー(XRP)は6760万ドル(約108億1600万円)、ソラナ(SOL)は5510万ドル(約88億1600万円)と、主要アルトコインへの資金流入は加速した。ブロックチェーン関連株式ETFは1億3300万ドル(約212億8000万円)の流出を記録した。
地域別では、アメリカが11億4000万ドル(約1824億円)の流出でほぼ全体を占める一方、スイス(2280万ドル、約36億4800万円)、ドイツ(2200万ドル、約35億2000万円)、カナダ(1260万ドル、約20億1600万円)などヨーロッパとカナダは資金流入を維持し、対照的な投資行動が浮き彫りとなった。
総じて見ると、アメリカ主導のリスクオフがビットコインを中心に直撃した形だが、CLARITY法案を巡る前向きな報道もあり、11銘柄が100万ドル超の流入を記録するなど投資家の選別姿勢も鮮明になっている。
|文・編集:井上俊彦
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