「レイヤー2は終わった」のか──ヴィタリックのL2懐疑論に、ライトコイン創設者が見た勝機【価格分析】

・ライトコイン(LTC)のドミナンスは過去2年で31%低下した。ビットコイン(BTC)のドミナンス拡大に加え、現実資産(RWA)やAI関連トークンが市場シェアを侵食している。
・イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリンは、レイヤー1の効率向上と手数料低下を理由に、L2ネットワークの将来に懐疑的な見方を示している。
・チャーリー・リーは、LitVMについて、LTCの機能を決済の枠を超えてAIやRWA市場へ広げる、目的志向型のレイヤー2だと強調している。

2024年3月、ビットコインETFのローンチを受けてアルトコインが上昇するなか、ForbesのアナリストはLTCを厳しく批判するレポートを発表した。その中でLTCは、数十億ドル規模の評価額に比べてオンチェーン利用や収益が限られる、20の「ゾンビ」ブロックチェーンネットワークの一つに挙げられた。

「LTCの時価総額は65億ドルだが、昨年の手数料収入はわずか38万9000ドルだった。ビットコインの8億ドルとは大きな差がある」──Forbes「The Rise Of Crypto’s Billion Dollar Zombies」、2024年3月

当時、LTCの時価総額は65億ドルで、エックス・アール・ピー(XRP)、ビルドアンドビルド(BNB)、ドージコイン(DOGE)などに続く時価総額8位の暗号資産だった。それから2年が経ち、LTCは順位を大きく落とした。CoinMarketCapのランキングによると、4月28日時点ではトップ20圏外に沈んでいる。

<ライトコイン(LTC.D)ドミナンス|出典:TradingView、2026年4月28日>

LTCの評価額は31%減の45億ドルとなった。世界の暗号資産市場に占めるシェアも、0.33%から4月28日時点でわずか0.17%まで低下している。

LTCはBTCとRWAプロジェクトに市場シェアを奪われた

LTCはBTCのフォークとして誕生し、大規模な個人間P2P決済を目的として設計された。だが、決済や準備資産としてのビットコインの存在感が拡大したことで、LTCの市場シェアは大きな打撃を受けた。過去2年間では、10カ国による国家バランスシートへの採用や、600億ドルを超える機関投資家資金の流入が進み、両者の差はさらに広がった。

より重要なのは、2026年にAI、RWA、分散型取引といった新たなテーマが台頭し、LTCの市場シェアをさらに削ったことだ。戦争を背景とした24時間365日のトークン化コモディティ取引によって4月上旬に注目を集めた分散型取引所(DEX)Hyperliquidや、RWAに特化したレイヤー1ネットワークのCanton Networkは、Forbesのレポート後に立ち上がったプロジェクトでありながら、すでに評価額と利用実績の両面でLTCを上回っている。

<RWA市場指標、2026年4月28日時点|出典:RWA.xyz>

オンチェーンで発行・流通する現実資産は、すでに300億ドルを突破している。RWA.xyzによると、同分野に関連するトークンの市場シェアは2%に迫っている。こうしたなか、ライトコインネットワーク内の開発活動は、2026年以降の市場シェア奪還に向けて活発化している。

4月にローンチされた新たなレイヤー2チェーンLitVMは、ライトコインの中核であるP2P決済という用途を超え、イーサリアム互換のスマートコントラクトを通じて、AIやRWA市場への進出を加速させるものだ。

「L2の当初の構想と、イーサリアムにおけるその役割は、もはや意味をなさない。私たちは新たな道を必要としている」──ヴィタリック・ブテリン、2026年2月

本インタビューでは、イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリンがL2セクターにほぼ終わりを告げたともいえるタイミングで、ライトコイン創設者のチャーリー・リーが、レイヤー2に残された割安な機会について語る。

またチャーリーは、AIエージェント経済や、コモディティや証券を対象とするオンチェーンRWA市場が拡大するなかで、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)型ネットワークが高スループットのチェーンとどのように競争できるのかについても見解を示した。

ライトコイン創設者チャーリー・リー:LitVMのローンチ、RWA、AIエージェント

──LitVMとは何か。LitVMはEVM互換のサイドチェーンを導入するが、これはライトコインが競争力を維持するために必要な動きなのか。それとも、決済特化型チェーンとしての中核的なアイデンティティを薄めるリスクがあるのか。

基本的に、LitVMはライトコイン向けのレイヤー2仮想マシンであり、抜本的なプログラマビリティを導入するものだ。これにより、ライトコインのハードマネーとしてのルーツを維持しながら、LTCのユースケースを大幅に広げ、イノベーションを可能にする。

何よりも、LitVMはライトコインの堅牢なPoWコンセンサスを、最先端のWeb3イノベーションを幅広く支える強固な基盤として活用するための技術アーキテクチャである。

LitVM、2026年4月28日>

RWA、エージェント型技術、そしてDeFiに至るまで、さまざまな領域でトラストレスにブリッジされたLTCが統合されることになる。それにより、LTCは利回りを生む資産へと変わり、Web3開発者がその上に構築できる極めて堅牢な通貨基盤を提供する。

私にとって、「サイドチェーン」という言葉では、このイノベーションの大きさを十分に表現できない。LitVMがライトコインコミュニティ、ハードマネー支持者、そして広範なWeb3エコシステムやEVM開発者にとってどれほど大きな節目であるかを示すには、まったく足りない。

ライトコインの決済チェーンとしての中核的なアイデンティティが脅かされるわけではない。その提供価値が拡張されるだけであり、ライトコインはより幅広いユースケースで本来の潜在力をようやく発揮できるようになる。つまり、ECだけでなく、オンチェーン融資、RWA、AIエージェントによる取引などにも広がっていくということだ。

端的に言えば、LitVMはライトコインの潜在力を最大限に実現するものだ。LitVMとライトコインの新たな章がどう展開していくのか、非常に楽しみにしている。

──LitVMは、イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリンがレイヤー2のナラティブはほぼ終わったとする見方を示したタイミングでローンチされた。どのような割安な機会を見ているのか。

最も重要なのは次の点だ。ヴィタリック・ブテリンは、もはやL2を処理性能を補うための迂回策としては見ていないことを明確にしている。純粋なスループット向上は、レイヤー1上で解決されつつある技術課題だという考え方である。その結果、L2はより深い根拠によって存在意義を示す必要がある。たとえば、ガバナンス設計、文化的な整合性、あるいはある種の思想的・政治的な目的と呼べるようなものだ。

その文脈で見れば、割安な機会は、単にもう一つの高速な実行レイヤーにあるのではない。意味のある原則や、長期的な通貨的・社会的コミットメントを軸に据えたエコシステムにある。特に、それがWeb3ユーザーにとって重要なものである場合だ。

この点で、LitVMはヴィタリックの見方の変化と非常によく合っている。LitVMはライトコイン専用のL2であり、その目的は、デジタルシルバーをプログラム可能な環境へ拡張することにある。ただし、ハードマネー型の決済ネットワークという中核的アイデンティティは手放さない。

機会は単なるEVM互換性にあるのではない。ライトコインが長年守ってきた原則と、14年間の連続稼働実績を、プログラム可能なWeb3スタックへと変換することにある。

ヴィタリックの枠組みが正しいなら、LitVMのようなL2はもはや性能で競争しているのではない。意味と設計思想で競争しているのだ。その意味で、LitVMは目的志向型L2の初期事例であり、世界で最も原則に忠実なデジタルネイティブの通貨基盤の一つの上に、プログラマビリティを重ねるものだ。

──ライトコインはAIエージェント経済で市場シェアを獲得するために、どのような位置づけを取っているのか。

AIエージェントが重要なユーザー層になるなら、そしてその可能性は日に日に高まっているように見えるが、彼らは大規模に低摩擦で価値を移転できる仕組みを求めることになる。そこでLTCの出番が来る。

LTCはこれまで、世界中の多くのユーザーに対して、小売ECやマイクロペイメントの用途で使われてきた。現在もそれは続いている。LitVMにおいて、ハードマネーとしての原則を維持しながらLTCをプログラム可能なEVM環境に統合することで、AIエージェントは信頼できる、明快で高性能な決済レイヤーを利用できるようになる。

ライトコインの役割は、シンプルで、広く統合され、常に安価に使える存在であり続けることだ。それによって、エージェントのワークフローにおける標準的な決済基盤になる。

──Sentora Researchのデータによると、投資家はRWA資金の流入先としてSolanaやAlgorandのような高スループットネットワークを選好している。PoWネットワークは、この300億ドル規模のセクターで現実的にどのように競争できるのか。

まさにそこで、LitVMはLTCを本来あるべき位置へ引き上げる役割を果たす。PoWチェーンとして、ライトコインネットワークは長年にわたり非常に優れたパフォーマンスを発揮してきた。現在も毎日、相当量の取引を処理し続けている。

もちろん、EVM互換性がなければ、ネットワークには制約がある。特にプログラマビリティの領域ではそうだ。しかし、それはハードマネー資産への需要が低下していることを意味しない。むしろ、ハードマネー資産には、既存のEVM環境に適切に統合される手段が必要なのだ。

LTCをEVMとRWAの領域に引き上げることで、LitVMは新たなパラダイムを生み出している。それはハードマネーWeb3だ。ライトコインは、投資家やユーザーから支持を集める高スループットな世界にアクセスするだけでなく、ハードマネーとしての原則を競争上の優位性として持ち込むことになる。

私に未来を見通す水晶玉があるわけではない。しかし、RWAに注力する投資家やトレーダーのうち、どれほど多くの人々が、希少でトラストレスなハードマネーであるLTCを基盤にしたオンチェーンRWAを好むのか、その展開を見るのを楽しみにしている。

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