ステーブルコイン崩壊か、進化か──利回り禁止が暴く「金融の主導権争い」【エックスウィンリサーチ】

● ステーブルコインは利回り商品から決済インフラへ転換
● CLARITY法案が収益モデルを根本から変える可能性
● 資金は消えるのではなく、構造を変えて再配置される

ステーブルコイン発行体Circle(CRCL)は本日約18%下落し、時価総額は約46億ドルが消失。背景には、CLARITY法案の草案で「USDCなどステーブルコインの利回り提供を禁止する」可能性が浮上したことがあります。

この動きは単なる株価下落ではない。ステーブルコイン市場の本質そのものが問われているサインである。

現在の暗号資産市場において、最も重要な構造変化の一つがステーブルコインの役割の変化である。従来、ステーブルコインは「ドルの代替」であると同時に、利回りを得るための資産としても機能してきた。しかし、この前提が大きく揺らいでいる。

その中心にあるのが、米国で議論が進むCLARITY法案である。この法案では、ステーブルコインの「保有に対する利回り」を制限する方向が明確になりつつある。すでに発行体レベルでは利回り禁止が制度化されており、さらに取引所やプラットフォームを含めた広範な制限が検討されている。

ここで重要なのは、この規制が単なる制限ではなく、「市場構造の再定義」である点だ。銀行側は、ステーブルコインに利回りが付与されることで預金が流出し、信用創造が損なわれることを強く懸念している。つまりこれは、暗号資産と伝統金融の「資金獲得競争」そのものである。

では、この規制によって資金はどう動くのか。答えはシンプルで、「消えるのではなく移動する」である。利回りが制限されれば、資金はDeFi、トークン化国債、あるいは規制外の市場へとシフトする可能性が高い。これは過去の金融史とも一致する。実際、預金金利が制限された時代には、マネーマーケットファンドなどの代替商品が急成長した。

一方で、ステーブルコイン自体の役割はむしろ強化される可能性がある。利回りというインセンティブが削がれることで、「保有する理由」ではなく「使う理由」が重要になる。決済、送金、担保、取引といったユースケースが中心となり、より純粋な金融インフラとしての位置付けが明確になる。

この大きな兆しはオンチェーンデータにも明確に現れている。ステーブルコインのアクティブアドレスは過去最高圏に達しており、実需ベースでの利用拡大が確認できる。今後、法整備が進めばこの流れはさらに加速する可能性が高い。アドレスの増加は単なる資金滞留ではなく、実際に市場で「使われている資金」が増えていることを示す重要なシグナルである。

結論として、現在のステーブルコイン市場は「利回りを軸とした金融商品」から「利用を軸としたインフラ」へと移行している。この転換は短期的には混乱を伴うが、中長期的には市場の成熟を意味する。

そして最も重要なのは、この変化を旧来の視点で評価しないことである。市場は崩れているのではなく、進化している。日本円ステーブルJPYC(@noritaka_okabe)、JPYSCにも期待が高まっています。

◆ショート動画 ステーブルコイン崩壊か進化か?利回り禁止で変わる金融の主導権 https://youtube.com/shorts/uQyffHpBeF0

オンチェーン指標の見方

アクティブアドレスは、一定期間内に実際に取引したウォレット数を示す指標。増加はネットワーク利用の拡大=実需の強さを意味し、資金の回転が活発な状態を示す。

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